「そそぐ」のイシザキです。
会社を辞めて1年半近くなりました。
その間、ちょこちょことですが、働いています。
確定申告会場で短期のアルバイトをした時の話を以前書きましたが、それ以外に、日本酒とおばんざい料理のお店、海鮮丼のお店(フランチャイズ)で働かせてもらっています。
おばんざい料理のお店の店主(女将)は、会社勤めを経験したのちに開店なさっています。女将が、イシザキの姉の大学の先輩にあたるのが縁で、勉強をさせていただけることになりました。
「会社勤めの経験しかないけど、飲食店を開きたい」と話すと「憧れだけで無茶するのは・・」という微妙な空気になることもありますが、女将はご自身の経験もあり、当初より受け止めて率直なアドバイスをくださいました。
今回は、その中からいくつか書きたいと思います。
100人来てくれる人がいるか
「1度でもお店に来てくれる人を紙に書き出してみて、100人いるかどうか」
これは女将自身が開業を目指した際に、東京で飲食店を営む店主(この方も女性)からもらったアドバイスだそうです。
「100人いなかったら開店は時期尚早で、人とのつながりを広げるのが優先だし、100人書き出せたら自信になる」とのこと。ここから2回目、3回目・・と来店くださるかはお店の頑張り次第だと思いますが、まずは裾野が100人と言うのは分かり易い指標です。
このアドバイスを伺ったのは今年の2月頃。早速サイトウと書き出したところ、2人分を合わせると100人にはなるのですが、東京にいた期間が長く福岡の知り合いは多くありません。東京の知人は地理的に再来店のハードルが高いでしょうから、福岡のみなさんに知っていただく必要があります。
それまで、全く目途が立っていないお店の話をするのは恥ずかしかったのですが、意を決して会う人に「お店をやりたいと思っています」と開示するようになりました。
このブログをご覧のみなさま!
みなさまの名前もきっと100人にリストしてますよ!来てね!
追い風が来るまで焦らない
物件探しが二進も三進(ニッチモサッチモってこんな漢字なの初めて知りました。ちなみに、そろばん用語だそうです)行かない時期、自分で決めていた物件の条件(エリア、予算)から外れた物件も検討に入れるようになりました。
私は「理想ばかりに縛られない方がいいよね!」との自己欺瞞を経て前向きではありましたが、女将からはスパっと「やめた方がいいと思う」と言われました。
女将自身も物件探し含めて難航している時期が続いたけど、ある時に急にいろんなことがスムーズに進んで開店に至ったとのこと。「追い風が吹く時ってあるから」という言葉に励まされ、ぶれていた考えを正しました。
幼少の頃に観た「ふしぎな島のフローネ」のロビンソン一家の航海も諦めずに頑張ったからこそ、追い風が吹いて陸地に辿り着いていました。難航している時に希望をもってもがけるかが、追い風につながると信じて頑張ります。
昔のアニメって、大人になって思い出す教訓があったんだなぁ。
この2つのアドバイス以外にも、働く中で様々な所作を教えてもらいました。
毎回「どうしてそうなるのか」の背景を併せて伺えるので勉強になります。
例えば。
お客様をお見送りする際に、私は「ありがとうございました」と言っていたのですが、「お客様との縁が続くように『~ました』という完了形ではなく、『ありがとうございます』と言ってね」と指摘をもらいました。
「ありがとうございます」でも「ありがとうございました」でも感謝は伝わりますが、縁を続けたいと願う気持ちを込めて言葉を選択していること自体に重みを感じました。
「神は細部に宿る」という言葉がありますが、お店の人格はこういう1つ1つの選択の積み重ねの結果だと思った出来事でした。
「そそぐ」の準備でも、運営する中でも、様々な選択の機会があると思いますが、お店の人格を大切にしながら選んで行きたいと思います。
ブログに登場する女将がいるお店はこちらです。
そそぐHP: http://sosogu.jp