「そそぐ」のイシザキです。
前回に続き、今回は2回目の「未来食堂」での「まかない」体験について。
1回目は「自分はこんな仕事を志すんだ」というマインド面の気づきがメインでしたが、その後の1年で、お店のコンセプトを考えたり、メニューを開発したり、物件を探したり、内装を検討したり、飲食店で経験を積んだり。これらを経てのまかないだったので、違った気づきがありました。
ちょうど物件が決まったこともありますし、イシザキの2019年を振り返ると
2019年のイシザキの学び2つ
(1)店舗物件についての学び
何度も転居しているので部屋の物件探しは慣れていますが、店舗物件は初めてです。
最初はチェックする観点や用語も分かりませんでした。
不動産屋さん「グリストはここですね」
サイトウ「あ、はい、大丈夫そうですね」
イシザキ「・・・ぐりすと?」
不動産屋さん「この物件は、動力がきてますね」
サイトウ「お、そうですか」
イシザキ「・・・動力?」
「世の中には知らないことが、まだまだたくさんあるな」という体験を重ねて、ようやく「そそぐ」を開店できる物件に辿りつきました。
気になる方のため、「グリスト」と「動力」の正しい内容を書いておきます。
「グリスト」は「グリストラップ」の略です。Grease(油)に対するTrap(罠)と言う名の通り、下水道に直接食用油や食物の脂肪、残飯や下処理の際の野菜くずなどが流出することを防ぐ装置で、業務用厨房には設置が推奨されています。
一般的な電気が「電力」であるのに対し、「動力」は工場や店舗などで使用される電気で、「三相」と呼ばれることもあります。大きな電気の使用を前提としているため、基本料金は高いものの、電力よりも単価は安くなります。
(2)飲食店での経験
学生時代のアルバイト経験はありますが、随分久しぶりに飲食店で働きました。
食材を切り続けたり、ひたすら食器を洗ったり。
1回目のまかないで、店主の小林せかいさんが黙々と作業する姿を見て「私もあれをやるんだ」と胸に思いましたが、いざ飲食店で働くとマインドとは別軸で「これとこれを時間までに終わらせる!」と黙々とやれてしまう(やらざるを得ない)ものですね。
この辺は性格との相性があるかもなので、悪くなさそうで良かったです。
2回目のまかない
ようやく、未来食堂のまかないの話に入ります。
「昨年まかないをしたものですが、もう一度お願いします」とメールで連絡を取り、未来食堂に伺いました。
今回は、開店前の清掃と昼食時の食器洗浄機をやらせていただきます。
いろいろな物件を内見し、店内レイアウトを検討した上で未来食堂に伺うと、前回は然程目に留めなかった厨房機器の種類や配置、客席のスペースなどが気になります。
小林せかいさんは、イシザキが飲食店開店を目指しているとご存知なので「気になるところは測って、写真も好きなだけ撮っていいから」とメジャーと筆記用具を貸してくださいました。(ありがたい!)
レンジを下に置く場合、かがんで出し入れの作業をするので70㎝は必要かなぁと家でシミュレーションしながら考えていたのですが、未来食堂で測ったら55㎝。動作してみたら私の体格なら十分いけます。あちこちのサイズを測ってメモしてきました。
食器洗浄機から洗い終えた食器を片付ける際、ちょこちょこと動いていたら、ベテランのまかないさんから「動かなくても手が届くように設計されていますよ」と教えてもらいました。やってみると足場はそのままでも、手を伸ばせば片付けられます。
また、複数あるもの(シルバーのトレーバット等)は役割に合った置き場所が明確になるように、カラーテープが貼ってあるなど工夫もあります。(これは本にも書いてあったので、「おお、これが例の赤のトレーバットか」と思った)
細かいところは、お店を運営する中でPDSを回していくことになると思いますが、後々簡単に変更できないレイアウトは、こうして実際の店内を見せて(しかも測らせて)もらえて大変参考になりました。
まかない後、定食は食べずに「ただめし券※」として入口に貼りました。
※50分の仕事でもらえるまかないの権利を、「ただめし券」として他の人に譲るシステム
「福岡からもお客様いらっしゃるから、お店アピールしたら」と言っていただき、名刺も一緒に貼らせていただきました。(ありがたい!)
1回目、2回目ともに短い時間ではありましたが、「飲食店オープンを目指して頑張ろう」と気持ちをセットした未来食堂に再度伺い、以前よりも飲食店の知見が増えた自分を認識し(自分への評価がやさしめでスミマセン)、今後も目の前のことを1つ1つやり続けて行こうと思いました。
・・・西川きよし師匠みたいな締め括りですね。
そそぐHP: http://sosogu.jp