そそぐ This Bar is SO SO GOOD.

福岡市中央区薬院にあるBAR。世界の「カンパイ」のかたちをキュレーション。お客さまとの対話でその人にぴったりの “ 飲み方 ”を提案するBARです。

旅とお酒(1)ポルトガルのポートワイン【前編】

「そそぐ」のイシザキです。

 

2021年5月現在の福岡市は、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言下。
気軽に移動することも、飲食店でお酒を楽しむことも自粛する日が続きます。

 

「そそぐ」もアルコールのご提供を控え、営業時間も短くしております。

長年、お酒をご提供する仕事を続けてきたサイトウは信じ難い様子。

カクテルの中には、アメリカの禁酒法施行の中で発展したものも多く(※)、カクテル修行の過程で「アメリカの禁酒法」はよく出てくるワードだったそう。

「遠い国の昔の話だと思っていたら、まさか日本で」と戸惑っています。

 

もちろん禁酒法とは異なり、お酒自体はご自宅で飲んでOKなのですが、お店でみなさまに心を込めてそそぐ日が戻ることを願います。

今はキーマカレーを心を込めてそそいでいます。

※禁酒法施行下は粗悪な闇アルコールが出回り、その味を調整するため、見た目をソフトドリンクっぽくするためにカクテルが発展したと言われています。

 

さて。

急にできてしまった時間の余裕を使って、「旅行」と「お酒」についてブログを書いてみようと思います。


まずは、ポルトガルのPort Wine(ポートワイン)について。

 

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ポートワイン(写真はWikipediaより)

 

イシザキは2011年2月、2018年7月の2回行きました。

また行きたい国の筆頭です。もっと近くにあればいいのにと思う程。

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Wikipediaにあった親切な図

 

ポルトガルの中でも、ポルトは特に魅かれた都市。

2011年は2月に一人旅で訪れ、観光シーズンが終わったちょっと寂しい川沿いの広場を歩きながら「今度は賑やかな夏に来よう」と思い、念願叶って7年後の7月に再訪。

 

でも知ってましたか。

賑やかな夏の観光地での一人旅もそこそこ寂しいって。

 

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寂しい冬の川沿い広場(2011年2月)と、賑わう夏の広場(2018年7月) はしゃぐ観光客の写真を撮るイシザキ(ぼっち)

 

しかしながら、おいしい食事とお酒があれば大丈夫です。

 

  • ポルトガルの食べ物

海の幸、山の幸ともに恵まれていて、美味しくないわけがありません。

海の幸は、タラ、イワシ、タコなど。

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市場で豪快に売られている干しタラ(2018年撮影)とタコ(2011年撮影)

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海産物の缶詰も充実


 

素材を生かした素朴な味付けが多く、日本人の口によく合います。

一人旅だったのでフードコートなどで済ますことも多く、私の写真ではポルトガル料理の魅力の数%も伝えきれませんが、一応貼ってみます。

 

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2011年の「地球の歩き方」食べたいものいっぱいで、食べたものをメモ

 

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街の食堂やフードコートに偏りますが、こんな感じです

 

 ポルトガルのお菓子を見ると、なぜか佐賀を思い出しました。

鎖国時代に唯一外交が行われた長崎からの物資を運ぶルート上にあり、輸入品の砂糖が流通した佐賀は、お菓子文化が発展したそうです。

 

佐賀銘菓「丸ぼうろ(祖父母のうちには必ずあった)」は、ポルトガルのCavaca Fina de Caldas(カヴァカ・フィーナ・デ・カルダス)の製法から生まれているとか。砂糖とともに、外交のあったポルトガルの菓子文化も佐賀に広がったのでしょうね。

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佐賀を思い出すポルトガルのお菓子たち(2011年)

 

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左はポルトガルの「Cavaca Fina de Caldas」、右は佐賀銘菓「丸ぼうろ」

 

  • ポルトガルのお酒

地形と海流の影響でいくつもの気候が混じりあうポルトガルは、いろいろなお酒が造られています。

ビールももちろん。SUPER BOCK(スーパーボック)やSAGRES(ザグレス)等ロゴに見覚えがある方もいらっしゃると思います。

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ポルトガルのビールロゴ

 

豊かな自然でブドウも栽培されているので、ワインの美味しさも有名ですし、私は飲んだことないですが栗やアーモンドのお酒もあるそうです。

 

しかし何と言っても「ポルトガルのお酒」と言えば「ポートワイン」が筆頭ではないでしょうか。(イシザキ調べ)

 

  • ポートワインって

ポートワインは、世界遺産にも登録されているドウロ渓谷で造られる酒精強化ワイン(フォーティファイドワイン)です。

スペインのシェリー酒、イタリアのマルサラワインと並ぶ「世界3大酒精強化ワイン」の1つ。

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ポルト、ドウロ川の場所

 

ワインは、ブドウ果汁の糖分が酵母の働きでアルコールに変わることで醸造されますが、ポートワインはその発酵中のワインに、アルコール度数が高い(77度!)ブランデーを添加して発酵を強制的に止めてしまいます。

糖分がアルコールに変換されずにブドウ果汁の甘みがそのまま残るため甘口に。ただし、ブランデーを加えていますので、アルコール度数は19度~22度と高めです。

 

ポートワインは世界中に輸出されていますが、主要国は今も昔もイギリス。

イギリスがフランスとの戦争に突入してフランスワインが輸入できなくなり、スペインでワイン生産を発展させ、フランスとスペインが友好関係になると、今度はポルトガルワインに目を付けたそう。

海上輸送で味が劣化しないよう、アルコール度数の高いブランデーを加えたのがポートワインの原型だとか。

 

ビールのジャンル「IPA(インディア ペール エール)」も、イギリスが当時植民地であったインドにビールを輸送するために防腐効果の高いホップをふんだんに使ったことが発祥と言われています。

イギリスの「酒を飲むための努力」はすごいですね。

 

  • ポートワインワイナリー

ポルトには、見学や試飲ができるワイナリーが幾つかあります。

私はCALEM(カレム)というワイナリーのツアーに参加。いろんな国の観光客の方20人程と一緒に説明を受けながら見学するのですが、ガイドの方が時々「あなたの国では、食前に何を飲むの?」「じゃあ、隣のあなたは?」と参加者に質問を投げかけてきます。英語で。そしてみんな軽快に答えます。英語で。

「答えられず変な空気にしてしまうんじゃ・・」と懸念し、質問されないよう人影に隠れたり、携帯を見るふりをしたり、終始気が気じゃありませんでした。

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ワイナリー見学ができるCALEM


 次回は、そんなドキドキツアーで教えてもらった、ポートワインの種類についてブログを書きたいと思います。

 

<おまけ>

2011年2月に訪れた、リスボン、ロカ岬、コインブラの写真をご紹介します。

ポルトの風景は後編で。

 

・リスボン

 

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サンタ・ジュスタのリフト (Elevador de Santa Justa)消臭力のCMでミゲル君が熱唱していた場所です

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大航海時代を記念そた碑「発見のモニュメント」日本は種子島漂着の1543年ではなく、大分・豊後に漂着した1541年となっています。
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ケーブルカー(ELEVADOR DA BICA)と警察自動車
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リスボンのサッカーチーム「ベンフィカ」とSAGRESの生ビールタップ




 

・ロカ岬

ユーラシア大陸の最西端。「ここに地果て、海始まる」という、ポルトガルの詩人が詠んだ詩の一節が刻まれた記念碑があります。

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ユーラシア最西端に到達した証明書を発行する有料サービスもあります
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念願だった「ロカ岬でワイン」ワインとコップを持参
  • コインブラ

 世界最古の大学のひとつ「コインブラ大学」がある学生の街です。

黒いマントをまとった学生が行きかう・・・そうなのですが、残念ながら出会えませんでした。

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赤い車が多いコインブラの街


ポルトガルのポートワイン【後編】

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