そそぐ This Bar is SO SO GOOD.

福岡市中央区薬院にあるBAR。世界の「カンパイ」のかたちをキュレーション。お客さまとの対話でその人にぴったりの “ 飲み方 ”を提案するBARです。

旅とお酒(1)ポルトガルのポートワイン【後編】

「そそぐ」のイシザキです。

 

コロナ禍の時間短縮営業でできた時間で、「旅」と「お酒」について想いを馳せてブログを書いています。

初回は、「ポルトガルのポートワイン」を選びましたが、ポルトガル観光紹介パートが増えて前編・後編に分けております。今回は後編。

 

前編では、酒精強化ワインであるポートワインの概要(の概要)について書きました。

 

今回は、ポルトにあるワイナリーの1つCALEM(カレム)のドキドキ見学ツアーで教えてもらった、ポートワインの種類について。

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見学ツアーでは、ポートワインの説明のほか、試飲もできます

 

CALEMを「ワイナリー」と書きましたが、正確には「シッパー」と呼ばれる商社・輸出業者です。

 

ドウロ渓谷で醸造されたポートワインの原型を、ポルトの市街地にあるシッパーが買い付け、各シッパーが熟成・ブレンドを行い商品化します。

 
ちょっと乱暴に分けると、ポートワインは「色」と「品質」の2軸で分類されます。

 

  • 色で分けるポートワイン

「ざっくり」で分けると、白ブドウから造られるのが「White Port(ホワイトポート)」、黒ブドウから造られるのが「Red Port(レッドポート)」。

レッドポートは「Ruby Port(ルビーポート)」と「Tawny Port(タウニーポート)」に分けられます。

ルビーポートは通常のワイン同様に短期(3年程度)の樽熟成を経て出荷されたもの、タウニーポートはルビーポートをさらに酸化熟成させ黄褐色(タウニー色)に変化させたものです。

 ※Rose(ロゼ)もありますが、割愛しております。ちなみにロゼはバレンタイン商戦に向けて2008年に登場したものだとか。バレンタイン商戦って世界中であるんですね。

 

  • 品質で分けるポートワイン

熟成させた年数や、選りすぐりのブドウで造られたか等の基準でカテゴリーが変わります。最上級のものは「Vintage(ヴィンテージ)」とされ、飲み頃が20~40年と長期保存も可能です。

 

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お土産で買ったミニチュアボトル。左からホワイトポート、タウニーポート、LBV(レイト・ボトルド・ヴィンテージ)。LBVは特定の年だけに造られ、4~6年熟成させたもの。

 

細かい条件を正しく解説しきれる自信もないので、このブログでは「質によってカテゴリーがある」程度に留めさせていただきますが、とってもわかりやすい図表を貼らせていただきます。

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ご興味ある方はカテゴリー検索してみてください (出典 https://winefolly.com/deep-dive/what-is-port-wine/


 

「へー」と思ったのは、タウニーポートのAged(エイジド・熟成年数表示)の考え方。

10年・20年・30年・40年とありますが、例えば「20年」は「20年熟成させたものを瓶詰め」ではなく、「ブレンドしたものの平均熟成年数」だそう。

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天才的に図解が上手な人のブログから拝借。(出典 http://douroprofundo.com/understanding-port-wine-labels/

なんだか、混ぜた食塩水の濃度を計算する算数の問題のようですね。小5の算数プリントの設問にどうでしょうか。

 

  • おいしいよ

一般的に、爽やかなホワイトポートは食前酒、ルビーポートとタウニーポートは食後酒です。

グラスの中のルビー色とフルーティーな味わいのルビーポートも美味しいですし、深いコクのタウニーポートをチョコレートやレーズン等と楽しむのもおすすめです。

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左からホワイト、ルビー、タウニー、ヴィンテージ(Wikipediaより)



「そそぐ」では、緊急事態宣言が出される直前、ちょうどルビーポートを仕入れたところでした。

他のポートワインも仕入れる予定ですので、状況が落ち着いてアルコールのご提供が再開しましたら、ぜひ味わいにいらしてください。

 

もちろん、自由な飲み方を推奨する「そそぐ」では、食前・食後などとらわれず、好きなタイミングで好きなお飲み物をお選びください。

 

<おまけ>
ポルトガルに想いを馳せて。Porto(ポルト)、Aveiro(アヴェイロ)、Agueda(アゲダ)、Costa Nova(コスタ・ノヴァ)の写真を載せております。

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場所はこのあたりです

 

  • Porto(ポルト)
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ドウロ川沿いにホテルやカフェが並びます。
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夜の眺めもいいです。
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ポルトのカフェでゴロンと寝ているネコ


Aveiro(アヴェイロ)

ポルトからの移動の際、交通の要所となる港街。ショッピングセンターがあり、活気がありました。治水で栄えた歴史から「ポルトガルのヴェニス」とも呼ばれるそうです。

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街の中心に川が流れます
  • Agueda(アゲダ)

有名な傘の街。傘が飾られる夏季は大勢の人が訪れます。

アヴェイロから単線に乗り換えるのですが、うっかり車内にiPhoneを置き忘れてしまった!しかし、数時間後にポルトに帰ろうと戻った駅のホームで、電車の運転手さんから手渡されました。
どういう経緯で私のものだと分かったのか、なぜ絶妙のタイミングで運転手さんに会えたのか、今でも謎です。

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カラフルな傘
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アゲダに向かう電車。「わー、誰もいないから写真撮っちゃお~」とはしゃいで撮影していたことが、iPhoneの置き忘れにつながりました。
  • Costa Nova(コスタ・ノヴァ)

通称「パジャマの街」。アヴェイロからバスで向かいます。

漁師さんが霧の中でも自分の家を認識して戻ってこれるよう、カラフルになったとか。

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メンテナンス大変そうだなぁと余計な心配をしてしまう、とてもかわいい家たち

 

そそぐ www.sosogu.jp