そそぐのイシザキです。
今日はそそぐにあるモノから「カウンターチェア」について。
店舗の内装を進める中で、カウンターとチェアーの高さ、チェアーの仕様には特にこだわった箇所です。
まずは高さ。
大まかに「ロー(LOW)」「ハイ(HIGH)」その中間の「ミドル(MIDDLE)」があります。
ここのサイトが分かり易い解説で、参考にさせていただきました。
- LOW
ローはチェアーに座った時に、脚がしっかり床につく高さ。
チェアーの高さは420mm程で、対になるカウンターの高さは720㎜程度です。
脚が床にしっかり着き安定して座れるメリットがありますが、カウンターの内側の床を掘り下げて低くしない限り、お客様とスタッフとの目線が大きくずれます。「お客様との対話をしながらお酒をご提供する」というそそぐのコンセプトから外れることになってしまいます。
また、ちょっとカフェっぽさが増すので、作りたい店の雰囲気とは合わないとなりました。とは言え、ローチェアーのカッコいいバーもたくさんありますね。そんなバーに出会うと、「おお、こんな手があったのか」と感心してしまいます。
- HIGH
ハイはいわゆるバーのカウンター。
チェアーの高さは770㎜程で、カウンターの高さは1050㎜程が好相性です。
スタイリッシュさが増すので、お店の雰囲気としてはハイカウンター&チェアーでマッチしましたが、小柄な女性やご高齢の方が座り降りする際に「よいしょ」となるのが懸念でした。
そこで、そそぐのカウンター&チェアーは、中間のミドルで行くことにしました。
- MIDDLE
個人差はありますが、ぎりぎりつま先が床つく程の高さなので座り降りも安定してでき、お客様の目線も低すぎずバーらしいスタイリッシュな雰囲気も保てる。
いいことだらけ!
ですが、デメリットは既製品のチェアーの種類が少ないこと。
家具販売店やインターネットを探してみましたが、そもそもの種類が少なく、これぞというチェアーに出会えず、オーダーすることにしました。
チェアーの制作は、店舗のデザインをご相談している、沖縄・読谷のインディゴさんに依頼しました。
<チェアーオーダーの際のリクエスト>
- 身長150㎝未満の方が座っても怖さを感じない
- ご高齢の方が座っても安心できる
- ゆっくりできるよう背もたれがある
- 座面を広く
- チェアーに荷物が収納できる
荷物収納については、自分自身が「会社帰りにお店に寄ると、荷物の安否が気に心配」と思っていたので、特にこだわりました。
荷物を前から入れて、サイドや後ろからは荷物が抜けないように工夫。
海外のレストランで椅子に座る時は、荷物の持ち手部分を椅子の脚に通して盗られないようにするので、それ位の気負いでしたが、結果、治安のいい街薬院では不要でした。
あ、東京で会社勤めをしている時も、治安は良かったですよ。誤解なきよう。
先述のリクエストを受けての、インディゴさんからのデザイン案がこちらです。
何ともかっこよく、このチェアーがお店に並ぶのかと思うとワクワクしました。
ほぼ最初のデザイン通りの仕上がりですが、PCが入った荷物も置けるように、荷物スペースの高さを広げてもらいました。
また、長時間座っても足が楽なようにフットレストを付けていただきました。
開店を控えた2020年の3月上旬、大きなトラックが店の前で止まり11脚の椅子が搬入されました。スタイリッシュな雰囲気ながら、座ると安定感・重厚感があります。
お客様からも「座面が広くていい」「背もたれが安心できる」と嬉しいコメントをいただく機会も多いです。「この椅子の座り心地が好きで来た」というリピーターのお客様もいらっしゃいました。
価格面を考慮し、背もたれのカーブをまっすぐに・・・と検討したこともありましたが、座り心地の良さを優先して背中に馴染むカーブはデザインそのままです。
ピカピカだった椅子も営業2年以上が経ち、アイアン塗装の色落ちも出てきました。
その擦れも、使い込んだ革製品の味のように、お店に馴染んでいい感じです。
みなさんも座りに来てください!
心をこめてそそぎます。
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