そそぐのサイトウです。
ジェントルマンジャックを仕入れました。テネシーウイスキーの代表格ジャック・ダニエルのラインナップのひとつで、至極なめらかな味わいが特長です。
そそぐ初のテネシーウイスキーです。
「ついにそそぐにも『テネシーウイスキー』がやってきたか」と眺めながら、ふと「テネシーウイスキーとは?」と考えました。

テネシーウイスキーの「テネシー」は、当然アメリカの州の名前が由来で、テネシー州はケンタッキー州の下に位置しています。

以前、バーボンについてブログを書こうと「バーボンウイスキー」の定義を確認したところ、ケンタッキー州での製造はバーボンを名乗る条件ではありませんでした。
改めて、バーボンウイスキーの定義をまとめると ※Wikipediaより
- アメリカ合衆国で製造されていること
- 原材料のトウモロコシの含有量は51パーセント以上であること
- 新品の炭化皮膜処理されたオーク樽で熟成すること
- 80%以下の度数で蒸留されていること
- 熟成のために樽に入れる前のアルコール度数は62.5%以下であること
- 製品として瓶詰めする場合のアルコール度数は40%以上であること
製造場所は「アメリカ合衆国」と指定があるのみで「ケンタッキー州」とは定められていません。
※実際は90%以上がケンタッキー州で製造されています。ケンタッキー州で製造され2年以上熟成されたバーボンは「ケンタッキー・ストレート・バーボン」に細分類されます。
上記のバーボンの条件に適し、さらに以下の2つの条件も満たすバーボンが「テネシーウイスキー」です。
- テネシー州内で造られている
- チャコール・メローイング製法で造られている
図でいうと、こんな感じです。テネシーウイスキーは、バーボンウイスキーの中の1つです。

テネシーウイスキーたらしめる「チャコール・メローイング製法」は、蒸留したウイスキー原酒をサトウカエデの木炭で濾過する製法です。原酒をポタポタと木炭の層に落とし、時間をかけて丁寧に濾過することで、雑味が取り除かれたまろやかな口当たりに仕上がります。
テネシーウイスキーであるジャック・ダニエルも、もちろん「チャコール・メローイング製法」を経ており、サトウカエデの木炭の層は10フィート(約3m)に及ぶ厚みだそうです。

ジャック・ダニエルの蒸留所ではこの工程を「エクストラ・ブレッシング(祝福の積み重ね)」と呼んでいるそうです。いいですねー、幸福な響きです。
ジェントルマンジャックは熟成前だけでなく、ボトリングの際にも再び濾過を行っているので、さらになめらか。さらにスムース。ジェントル(紳士)の名前を冠するにふさわしい1本です。
バーボンウイスキーとテネシーウイスキーの関係や、チャコール・メローイング製法について真面目に書いてみましたが、これはあくまで制度上の話。
南北戦争で敵味方に分かれた歴史も手伝ってか、ケンタッキー州の方は「ケンタッキー州産じゃなければバーボンにあらず!」、テネシー州の方は「バーボンウイスキーとテネシーウイスキーは全くの別物!」と強く思っているそうです。自分の州やそこで生み出されるお酒に誇りを持っている証拠かも知れませんね。
そそぐでは、どこで国・都市で生まれたウイスキーも造り手の想いを大切に、心を込めてそそぎます。
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