12:20にアイラ島に到着。
この日は14:30開始のラフロイグ蒸留所のツアーに参加します。
※ウイスキー製造の簡単な流れはこちらを参照ください。
チェックインしたB&Bから徒歩37分なので歩いて行くことにしました。
「The Three Distilleries Path」の案内が見えたら、ひたすら直進するのみです。
途中「あれ絶対建設中の蒸留所だよね?」という建物がありました。
Port-n-truan(ポーティントルーアン)蒸留所だそうで、公式サイトには「2024年に蒸留開始予定」とありました。9月5日現在、まだまだ工事途中に見えますが・・巻き返すのでしょうか。公式サイト: Distilleries : Elixir Distillers
余裕をもって出発しましたが、建設中の蒸留所に近づいてみたり、羊や馬の写真を撮ってみたりとアイラ島初上陸にはしゃいでいたら、ギリギリになってしまいました。
到着!
グッズ売り場の他、BARやラフロイグの歴史を紹介したミュージアムもあります。もちろん、以前読んだ本「ウイスキー・ウーマン」にも登場したベッシー女史の写真もありました。
※ベッシーの功績ついてはこちら
この日は、最もスタンダードなExperience Tour(£18)を予約しています。
ツアーは数分遅れでスタート。ガイド1名と10人ほどのツアー参加者です。
まずは避難経路や禁煙の徹底について説明があります。事務的な話なので、堅苦しくならないようガイドの方が気を利かせたジョークを交えたりします。ツアーのみなさんが笑っているので、「きっと笑うところだな」と微笑んでおきました。
事務的な説明が終わると、「Hi folks,こちらについて来て」と促されて進み、まずはフロアモルティングを見学します。
ラフロイグは8割以上をモルトスターであるポートエレン精麦所から仕入れていますが、自社でもモルティングを行っている数少ない蒸留所のひとつです。
ピート層を浸透してきた仕込み水を含んだ大麦がフロア一面に広がっていて「蒸留所に来たぞ」って感動がこみ上げました。
写真では収められていませんが、海に面した窓があるフロアで、窓を開閉することで夏は涼しく、冬は温かくなるよう調整して発芽を促すそうです。
数時間おきに発芽中の大麦を「すき返し」する道具の説明もありました。
今は機械も併用していますが、以前はシャベルが主だったので肩を痛める職人が多く、その症状は「モンキーショルダー」と呼ばれたそう。モンキーショルダーと言う名のウイスキーもお店に置いていますが、そんな由来だったのですね。
適度に発芽した大麦は、この床にある穴から下に落ち、乾燥の行程に入るようです。
30時間ほど乾燥させたのち、キルンと呼ばれる乾燥塔で焚いたピートで香りづけと乾燥が行われます。
麦芽がピートを焚く煙でいぶされます。
いぶした後、さらにピートを焚く熱風と窓から入る潮風で乾燥させる部屋です。この日は麦芽不在だったので、中に入って見学をしました。
ピートを焚くところに移動です。
ラフロイグは自社専用のピート採掘エリアを保有しているそうです。
ピートを投げ入れる体験もできました。
が、順番が回ってくるのかな?と黙って待っていたら「Hi folks,ネクストへゴー」と次に進んだので、私は投げ入れ体験できませんでした。「こういう時は、『はい!私もやりたいです』と言わないとな」と心に刻みました。
蒸留を行う部屋です。高温で蒸留しているからか、室内もかなり暑いです。
初めて見るポットスチルに「わぁ、大きい」と思いましたが、アイラ島の蒸留所の中では小さいサイズだそう。翌日から4つ蒸留所を見学しましたが、確かにラフロイグのポットスチルは比較的小ぶりでした。
手前のストレートネック3つが初留器(ウォッシュ・スチル)で、奥4つのランタン型が再留器(スピリット・スチル)です。
再蒸留の過程でカット(最初と最後の蒸留水をカットし、中間のおいしい部分だけを抜き取る)を行いますが、ラフロイグはカットする部分が多いそうです。その分ウイスキーを生産する効率は悪くなりますが、味へのこだわりを感じます。
移動中に樽の説明がありました。
WAREHOUSEで熟成中の樽。
実際は柵があったので、こんな感じで撮っています。
最後は6種類から3つを選んで試飲ができます。
この日はシェリー樽熟成、Lore(ロア)、そしてCS(カスクストリングス)のBatch13~16が用意されていました。こんな潮風があたる蒸留所で生まれたのか~と感慨深く飲みました。
帰り際にガイドの方に「日本で小さなバーを営んでいて、ラフロイグは人気です」と拙く伝えたら、「おー、そうなの!うちのウイスキーをよろしくね」と握手してくださいました。こちらこそありがとう。頑張ってそそぎます!
そそぐでは、心をこめてそそいでいます。
【アイラ島への旅 Vol.1】福岡からグラスゴーへ(計画編)