アイラ島ウイスキー蒸留所2つ目は、11:00開始のラガヴーリン蒸留所です。
ポートエレンから電動自転車で20分程、到着しました。
参加するのは、LAGAVULIN Classic Tour(£22/人)です。
Visit Lagavulin | Whisky Distillery Tours | Malt
やや早めに到着しましたが、スタッフの方に名前を伝えると「ウエルカムドリンクでも飲みながら待っててね」と笑顔でウイスキーをすすめられました。
グッズも充実していあます。個人的には、ここが一番購入意欲が掻き立てられるウイスキーやグッズが並んでいました。
※ウイスキーの製造工程簡易版はこちら
蒸留所見学お馴染みの「Hi, Folks」の呼びかけとジョークを交えた安全事項の説明(ジョークは今回も分からず2敗目)を経て、まずはピートを焚く炉を見学します。
と言っても、ラガヴーリンはモルティングを1974年からポートエレン精麦所に委託しているので、今は使われていません。自社でモルティングを行うと、今の価格でウイスキーを提供できなくなるとおっしゃっていました。
他社に任せているとは言えども、こだわりはすごいです。
麦芽のフェノール値(ピートの強さを示す)は35ppmになるよう、50ppmと20ppmの麦芽を調合しています。「絶対に」「正確に」35ppmだそうです。
麦芽をグリストに粉砕する機械です。
粉砕機のプレートを見ると「1963年3月16日」とあり60年以上もの間稼働しているんですね。そして「Ronnie Lee」の名前も気になります。
この粉砕機はPorteus(ポーティアス)社製。Porteus社が製造した粉砕機は、丈夫過ぎて買い替えが不要だったため、販売が伸びずに倒産してしまいます。素晴らしい製品を送り出す製造業の鑑ですが、ゆえに倒産するとは何とも皮肉な。
しかし粉砕機が稼働している以上メンテナンスは必要であり、それをできる唯一のエンジニアがRonnie Lee氏なのです。
同様のスコッチウイスキー蒸留所が数多くあるので、「スコットランドのウイスキーは、ウエールズ人のRonnie Leeが支えている」と言われているそう。属人化の極みっぽいですが、大丈夫なのかしら。
マッシュタン(糖化槽)がある施設へ。かなり暑いです。
グリスト(粉砕された麦芽)をお湯と攪拌してウォート(麦汁)にします。マッシュタンはステンレス製で、21000リットルのウォートを生成可能。
続いて、ウォッシュバック(発酵槽)の部屋へ。
ウォッシュバックの蓋の上にフクロウのオブジェが。
フクロウについて説明はなかった(或いは聞きそびれた)のですが、調べたところ、窓から入ってくる鳥が巣をつくるのを防ぐためらしい。「でもさ、時々鳥がフクロウの頭に乗っているんだよね」と言うガイドジョークもあるそう。惜しい、それだったら分かりそうだったのに。他の参加者と同じタイミングで笑いたかった。
蒸留の行程へ。
すんぐりした4基のポットスチル。手前2つがウォッシュ・スチル(初留器)で、奥2つがスピリット・スチル(再留器)です。
ラガヴーリンは、この洋梨のような形と下向きのラインアームで長時間かけて行う蒸留が特徴的で、あのフルーティーで濃厚な味わいを生み出しています。
白壁にLAGAVULINが描かれた建物を眺めるスポットへ。
撮影に興じていたら、同じツアーに参加していた日本人男性が「よかったらお2人で」と声をかけてくれました。「すみません!全部の文字入りません!」と言いながら、何とか「L」を入れようと海岸ギリギリで身体を反らして撮影してくださり、なんていい人。
試飲はFeis Ileアイラフェス2024年(10年のCS 56.7%)Distillers Edition(43%)、カスクストレングスの8年(57.3%)の3種類。まだ12:00過ぎなのにパンチの効いたラインナップです。どれも旨い。
そそぐでは、通常8年と16年がバックバーに並んでおります。大事に育てられたウイスキー、造り手の想いを受けて心をこめてそそいでいます。
【アイラ島への旅 Vol.1】福岡からグラスゴーへ(計画編)