そそぐ This Bar is SO SO GOOD.

福岡市中央区薬院にあるBAR。世界の「カンパイ」のかたちをキュレーション。お客さまとの対話でその人にぴったりの “ 飲み方 ”を提案するBARです。

【アイラ島への旅 Vol.8】ラガヴーリン蒸留所

アイラ島ウイスキー蒸留所2つ目は、11:00開始のラガヴーリン蒸留所です。
ポートエレンから電動自転車で20分程、到着しました。

ラガヴーリンポスト 月~金曜日 9:00集荷です

キルンがみえます

ビジターセンターへ

参加するのは、LAGAVULIN Classic Tour(£22/人)です。

Visit Lagavulin | Whisky Distillery Tours | Malt

やや早めに到着しましたが、スタッフの方に名前を伝えると「ウエルカムドリンクでも飲みながら待っててね」と笑顔でウイスキーをすすめられました。

「飲んでて~」と軽く出されたウエルカムドリンクが厳つい

グッズも充実していあます。個人的には、ここが一番購入意欲が掻き立てられるウイスキーやグッズが並んでいました。


※ウイスキーの製造工程簡易版はこちら

 蒸留所見学お馴染みの「Hi, Folks」の呼びかけとジョークを交えた安全事項の説明(ジョークは今回も分からず2敗目)を経て、まずはピートを焚く炉を見学します。

かつてはピートが燃えていた炉

と言っても、ラガヴーリンはモルティングを1974年からポートエレン精麦所に委託しているので、今は使われていません。自社でモルティングを行うと、今の価格でウイスキーを提供できなくなるとおっしゃっていました。

他社に任せているとは言えども、こだわりはすごいです。

麦芽のフェノール値(ピートの強さを示す)は35ppmになるよう、50ppmと20ppmの麦芽を調合しています。「絶対に」「正確に」35ppmだそうです。

 

麦芽をグリストに粉砕する機械です。

レトロな雰囲気ですが現役です

粉砕機のプレートを見ると「1963年3月16日」とあり60年以上もの間稼働しているんですね。そして「Ronnie Lee」の名前も気になります。

この粉砕機はPorteus(ポーティアス)社製。Porteus社が製造した粉砕機は、丈夫過ぎて買い替えが不要だったため、販売が伸びずに倒産してしまいます。素晴らしい製品を送り出す製造業の鑑ですが、ゆえに倒産するとは何とも皮肉な。

しかし粉砕機が稼働している以上メンテナンスは必要であり、それをできる唯一のエンジニアがRonnie Lee氏なのです。

同様のスコッチウイスキー蒸留所が数多くあるので、「スコットランドのウイスキーは、ウエールズ人のRonnie Leeが支えている」と言われているそう。属人化の極みっぽいですが、大丈夫なのかしら。

粉砕機の近くにあった掲示物。こういう「組織っぽい」感じ好みです。

敷地内を流れる人工の川を流れるピート浸透水。かつての仕込み水?正確には分かりませんでした。


マッシュタン(糖化槽)がある施設へ。かなり暑いです。

グリスト(粉砕された麦芽)をお湯と攪拌してウォート(麦汁)にします。マッシュタンはステンレス製で、21000リットルのウォートを生成可能。

マッシュタンの中

 

続いて、ウォッシュバック(発酵槽)の部屋へ。

21500リットルの木製ウォッシュバックが10基並びます

ウォッシュバック内で発酵が進んでいます


ウォッシュバックの蓋の上にフクロウのオブジェが。

なぜかレイがかけてある

フクロウについて説明はなかった(或いは聞きそびれた)のですが、調べたところ、窓から入ってくる鳥が巣をつくるのを防ぐためらしい。「でもさ、時々鳥がフクロウの頭に乗っているんだよね」と言うガイドジョークもあるそう。惜しい、それだったら分かりそうだったのに。他の参加者と同じタイミングで笑いたかった。

 

蒸留の行程へ。

すんぐりした4基のポットスチル。手前2つがウォッシュ・スチル(初留器)で、奥2つがスピリット・スチル(再留器)です。

くびれのないウォッシュ・スチル

さらにくびれがなく、スライムのような形のスピリット・スチル

ラガヴーリンは、この洋梨のような形と下向きのラインアームで長時間かけて行う蒸留が特徴的で、あのフルーティーで濃厚な味わいを生み出しています。

 

蒸留室の貼り紙。高アルコールですから、万一目に入ったら大変です。危険と隣り合わせの作業なんですね。

熟成樽か並ぶウエアハウス内は見学なかったので、外観だけ


白壁にLAGAVULINが描かれた建物を眺めるスポットへ。

撮影に興じていたら、同じツアーに参加していた日本人男性が「よかったらお2人で」と声をかけてくれました。「すみません!全部の文字入りません!」と言いながら、何とか「L」を入れようと海岸ギリギリで身体を反らして撮影してくださり、なんていい人。

撮影いただいた写真。ありがとうございます!「L」も入ってます!

写真で文字全体が入らなかったので、動画をGIFに




試飲はFeis Ileアイラフェス2024年(10年のCS 56.7%)Distillers Edition(43%)、カスクストレングスの8年(57.3%)の3種類。まだ12:00過ぎなのにパンチの効いたラインナップです。どれも旨い。

試飲するシックな部屋に飾られたラガヴーリンタワー



そそぐでは、通常8年と16年がバックバーに並んでおります。大事に育てられたウイスキー、造り手の想いを受けて心をこめてそそいでいます。

心をこめてそそぎます

www.sosogu.jp

 

【アイラ島への旅 Vol.1】福岡からグラスゴーへ(計画編)

【アイラ島への旅 Vol.2】福岡からグラスゴーへ(実行編)

【アイラ島への旅 Vol.3】グラスゴーの街並み・パブ

【アイラ島への旅 Vol.4】グラスゴーからアイラ島へ

【アイラ島への旅 Vol.5】アイラ島3日間の流れ

【アイラ島への旅 Vol.6】アイラ島の宿・飲食

【アイラ島への旅 Vol.7】ラフロイグ蒸留所

【アイラ島への旅 Vol.8】ラガヴーリン蒸留所

【アイラ島への旅 Vol.9】アードベッグ蒸留所

【アイラ島への旅 Vol.10】ポートエレン蒸留所

【アイラ島への旅 Vol.11】アイララム蒸留所

【アイラ島への旅 Vol.12】ボウモア蒸留所

【アイラ島への旅 Vol.13】アイラ島からグラスゴー

【アイラ島への旅 Vol.14】グラスゴーから福岡へ