そそぐ This Bar is SO SO GOOD.

福岡市中央区薬院にあるBAR。世界の「カンパイ」のかたちをキュレーション。お客さまとの対話でその人にぴったりの “ 飲み方 ”を提案するBARです。

確定申告に向けて:前編

  「そそぐ」のイシザキです。

本日は堅く税金の話。

 

「飲食店をオープンしたら、お金周りを管理して確定申告もしないとだな」と思ったので、今年の2月~3月の間、確定申告の会場でアルバイトをすることにしました。体得型学習法です。

 

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「いらすとや」の網羅性おそるべし

 

恥ずかしながら、所得税の仕組みをあまり理解せぬまま会社勤めをしていました。

会社の年末調整で「ここに必要事項を記入して押印してください」と丁寧な資料が添えられていても、「どうせ、何も申告するものないし」とポンと押印して完了(実際、火災保険くらいしか控除申告するものがない)でしたし、源泉徴収票もちゃんと見たことがなかった気がします。

 

確定申告会場でのアルバイトは、国税局サイトの電子申告(e-Tax)への入力補助なので、税に関する知識よりも作業の側面が大きいのですが、しっかり5日間の研修がありました。

座学を食い入るように聞き、質問も積極的にしていたので、講師の方は「あのアルバイト、真剣だな」と感心していたかも知れません。「あの人、やたらグイグイ来るな」と引かれていた可能性も否めません。

 

研修を経て、ようやく「所得税ってそういうことだったのか」と理解しました。

 

私ほど無関心な人は少数派なので、多くの方はご存知だとは思いますが、改めて書くと、所得税とは

「個人の所得に対してかかる税金で、1年間の全ての所得から所得控除を差し引いた残りの課税所得に税率を適用し税額を計算します。(国税局HPより)」

だそうで、この「所得控除」の対象となるものが扶養家族だったり、医療費だったり、保険の支払いだったり、住宅ローンだったり、ふるさと納税だったり。

 

「なるほどー、だから会社のみんなは『ふるさと納税』していたのか」と周囲から遅れること数年でようやく知りました。それまで「みんな和牛が好きなんだなぁ」程度に思っていましたが・・。

※純粋に自治体を応援する気持ちで「ふるさと納税」なさる方もいらっしゃると思います!
※ふるさと納税は所得税控除と次年度の住民税の控除(減額)両方があります。

 

堅い内容を読んでくださっている方への感謝を込めて、イシザキの「ふるさと納税豆知識」をご紹介しますと、ふるさと納税申し込み時に「ワンストップ特例制度」を設定していても、医療費控除申請などで確定申告する場合は特例制度が無効になる(確定申告の方が優先される)ので、ふるさと納税も併せて申告する必要があります。お気をつけて!

 

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「いらすとや」さん、ありがとう

 

私が関わるのは最終的な入力の作業部分なので、それ以前の複雑な計算は税務署の方(あるいは事業主の方が契約している税理士の方)がなさっているのですが、それでも所得税・消費税・譲渡所得税・相続税などの大まかな仕組みがわかる迄にはなりました。

そして「お店を始めたら、青色申告をしよう」という想いに至るのですが、長くなってきたので、ここは次回に続きを書きます。

 

 

確定申告の会場に来る納税者の方々と接していると「みんな頑張って日々働いているんだな。私も頑張らないと」という気持ちになりました。

日々頑張って働く方々が、帰りに立ち寄ってもらえるお店を目指します。

 

 

 確定申告こぼれ話(1)自分の申告編

私自身、昨年退社したこともあり、アルバイト開始直前に確定申告を済ませました。

税務署の方が「扶養家族は?」「離れて暮らしているお子さまもいないですか?」と何度も何度も聞いてくるので、心の中で「そう何度も聞かれても、いねぇよ」と思ったのですが、自分が所得税の入力を補助する立場になると納税者の方に「扶養家族はいらっしゃいませんか」と念入りに確認しました。

控除額が大きいので納税額が違ってくるのと、確定申告情報が次年度の住民税にも影響するのでここでも漏れてしまうのです。

税務署の方、あの時「なんで何度も聞くんだろう」とやさぐれた気持ちになってスミマセンでした。

 

確定申告こぼれ話(2)申告会場でのエピソード 

一見ごく普通の小柄のおばあ様。「年金の申告かな」と思ったら「金の譲渡で利益が出たので納税に」とのことで、e-Taxの入力を進めるとイシザキの理解が及ばないほどの納税額になりました。驚く私をよそに「やっぱりこれ位になるわねぇ」と涼しく帰られました。

 

アパートの不動産所得があるおばあ様。一昨年ご主人が急に亡くなられて、見様見真似で申告したら納税額が大幅に増えたので「今年は何が経費になるのか、ちゃんと勉強したの」とのこと。無事にご主人がなさっていた当時と同等の納税額に戻り、嬉しそうでした。(こういう時は、私も嬉しい)

 

ひとり暮らしのおじい様。例によって「扶養家族はいらっしゃらないですか?」と伺うと、笑顔で「おらんよ、野良猫にエサをやってるくらい」とおっしゃいました。ステキな返し。私も申告で聞かれた時に、そんな返しをしたかった。心の余裕の差かなぁ。

 

 

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