そそぐ This Bar is SO SO GOOD.

福岡市中央区薬院にあるBAR。世界の「カンパイ」のかたちをキュレーション。お客さまとの対話でその人にぴったりの “ 飲み方 ”を提案するBARです。

そそぐ歳時記:2周年を迎えて

そそぐのイシザキです。
2022年3月22日、そそぐは2周年を迎えることができました。

f:id:sosogu_Fukuoka:20220325200457j:plain

ありがとうございます。2周年を迎えました。

 

物件探しが難航し、「本当にお店を出せる日が来るのか」と落ち込んでいたのがつい先日のようにも思えますが、開店にこぎ着けてから2年が経つことに驚いています。

 

昨年の「そそぐ歳時記:1周年を迎えて」から丸一年、2年目の12か月を振りかえってみたいと思います。

sosogu.hateblo.jp

 

2021年3月(3月の季語:サイトウ夢の着流し)

21:00閉店の時短営業で幕を開けた3月ですが、ちょうど1周年を迎える22日から通常営業に戻ることができました。

1周年にあたり、たくさんの方がご来店くださったり、お祝いのメッセージをくださったり、手探り続きの1年間の中でも「そそぐ」を応援くださる方々がいてくださることを改めて感じました。

 

サイトウの夢である「着流しを着てウイスキーをそそぐ」が叶ったのもこの月。

着流しを着たはいいけどカウンター業務がスムーズにこなせず、見かねたお客様がご自宅から襷を持ってきてくださいました。(学生時代の剣道用らしいです)

f:id:sosogu_Fukuoka:20220325200707j:plain

サイトウの夢「着流しでウイスキーをそそぐ」が叶った瞬間

 

2021年4月(4月の季語:エイプリールフール)

昨今話題になる「企業のエイプリールフールネタ」に感化され、4月1日のSNSで「『そそぐ』から『そーぐっ』に店名を変えます」と発信。

ほんの冗談の気持ちで書いたのですが、少なからず(私が把握しているだけで5名以上)の方が「え、『そそぐ』の方がいいと思うのに」「変えない方がいいけど、口出しをするのも良くないし・・・」とシリアスに受け止めていらっしゃいました。

 

迂闊なことをするもんじゃないと反省するとともに、「そそぐ」っていい店名って思っていただけているんだなぁと嬉しさも感じました。(ポジティブ思考)


2022年4月もお楽しみに!(←懲りない)

 

f:id:sosogu_Fukuoka:20220325200751j:plain

4月1日のInstagram 迂闊なことしてごめんなさい



2021年5月(5月の季語:空っぽのバックバー)

とうとう福岡でも、アルコールの提供を控えるよう要請がありました。

ちょうどお酒をまとめて発注したばかりのタイミングでの要請で、ひと昔前に流行った「マーフィーの法則」を思い出しました。

お酒のご提供を控える間、普段はお酒を並べている棚(バックバー)からボトルを撤去し、代わりに本を並べて過ごすことになりました。

2021年6月(6月の季語:ジンジャーソーダ)

5月に引き続き、お酒の提供なしの営業です。水出しアイスコーヒーの他、自家製のジンジャーエール等をお出ししておりました。

6月21日からお酒のご提供を再開できることになり、空っぽのバックバーにボトルが戻ってきました。しばらく休んでいたビールサーバーも念入りに清掃。

久々にお客様に生ビールをそそぐことができました。

f:id:sosogu_Fukuoka:20220325200854j:plain

6月3日のInstagram 自家製ジンジャーエールのご案内

 

2021年7月(7月の季語:換気・やる気・元気)

7月は換気設備の取り付けや、お手洗いの非接触化を実施。

お客様からも好評をいただきました。

安心してご利用いただけるファシリティもサービスのひとつですね。

情報収集や検討を怠らず、可能な範囲で改善を努めたいと思います。

 

f:id:sosogu_Fukuoka:20220325201014j:plain

換気設備を案内するInstagram

 

2021年8月(8月の季語:煮浸し素麺)

残念ながら、8月もお酒のご提供を控える1か月となってしまいました。

あれこれ考えた結果、「煮浸しや素麺セット」や「アイスクリーム」をメニューに。

 

試行錯誤ではありましたが、最近(2022年3月)お客様から「夏になったら煮浸し素麺が戻ってくるんですか?また食べたいです」とのお声をいただき嬉しかったです。

f:id:sosogu_Fukuoka:20220325201052j:plain

煮浸しとアイスクリーム。夏らしいメニューです

 

2021年9月(9月の季語:ひやおろし爆買い)

9月もお酒のご提供を控える1か月。

お店でお酒は出さずとも、お酒屋さんには季節のお酒が並びます。

9月は二度目の火入れをせず夏を過ごした「ひやおろし」が出回り始めます。

「そろそろお酒の提供が再開できそう」との期待を込めて、季節のお酒をまとめ買いして備えました。

※お酒の提供NGは9月末で要請が終了し、10月から無事ひやおろしをお出しできました。

f:id:sosogu_Fukuoka:20220325201227j:plain

「備えあれば憂いなし」をキャッチフレーズに買った日本酒

 

2021年10月(10月の季語:おかえり、おでん)

寒さを感じる日も増えて、おでんを再開。

昆布と花がつおで丁寧に出汁をとり、具材を煮込み、昨年ラフロイグの空き箱で工作したおでん提灯を吊り下げて準備完了です。

夏に何もできなかった鬱憤からか、「ハロウィン何かやりたい」気持ちが高まり、赤い色のドリンクをリストし、特製コースターを用意。コースターはホラー過ぎると不評でした。思い付きでやるもんじゃないと学習。

f:id:sosogu_Fukuoka:20220325201316j:plain

関東だしのおでんと、不評のハロウィン用コースター

 

2021年11月(11月の季語:おかえり、モツ)

冬が近づく11月には、モツ煮込みを再開!

一部のコアなファンの方から「モツ煮いつからですか?」とリクエストをいただき、モツ冥利(?)に尽きます。

しばらく営業時間が定まらず生活リズムも狂いがちでしたが、11月は1か月を通して通常営業ができ、身体のリズムも戻ってきました。

f:id:sosogu_Fukuoka:20220325201358j:plain

モツ煮が冬の到来を告げます(大袈裟)



2021年12月(12月の季語:浮かれイルミネーション)

夏に発揮できなかったイベントへの情熱が、ハロウィンの失敗での消化されずクリスマスにも注がれます。昨年はさらっとスルーしたクリスマスでしたが、店内と窓にイルミネーションを取り付けました。

店内はシンプル派のサイトウは微妙な反応ではありましたが、お客様からは「お店が営業中なのが分かり易くていい」と支持があり、思わぬ発見がありました。

 

年末が近づき、お見送りのお客様と「今年もお世話になりました」「来年もお願いします」と会話するのが、毎回ほっこりします。

「来年もよろしくお願いします」とご挨拶して、「いや、年内もう1回くらい来ますよ」っていうやり取りも好きです。

 

f:id:sosogu_Fukuoka:20220325201444j:plain

サイトウの支持は得られないイルミネーション



2022年1月(1月の季語:寅押し)

新年3が日も営業しました。

生まれ干支である寅年に思い入れがあるので、お手製の寅柄ネクタイでおめかし。

昨年のお正月同様に、「お正月特製3種盛り合わせ」や「お雑煮」等のメニューをお出しし、お正月気分を味わいました。

12月に飾ったイルミネーションがそのままなのはご愛嬌。

f:id:sosogu_Fukuoka:20220325201524j:plain

お正月メニュー



2021年の1年間にそそいだドリンクを振り返ってみて、ソフトドリンクのみの期間があるのを眺めながら「いろいろあった1年間だったなぁ」と改めて感じました。

sosogu.hateblo.jp

 

2022年2月(2月の季語:KFCオリジナルチキン)

2月はサイトウが誕生日を迎えました。

区切りの年なので、誕生日を迎える瞬間に居合わせたお客様にも乾杯に付き合ってもらって・・・と想像していましたが、残念ながら1月の下旬から時短営業になっておりました。
山盛りのKFCオリジナルチキン(サイトウの好物)を食べながら誕生日を迎えましたが、お店を営業する中でつながりができたみなさまからもお祝いの言葉をいただくことができました。

 

開店前、サイトウ・アニバーサリーイヤーの2022年にはウイスキーの聖地アイラ島の蒸溜所巡りをしよう!と目標にしていましたが、うーん、どうでしょうかねぇ。

来年行けるといいなぁ。

 

2022年3月(3月の季語:そそぐ開店2年!)

そして今月22日、2周年を迎えることができました。

ご来店くださったみなさま、お祝いやメッセージをお贈りくださったみなさま、ありがとうございました。

 

f:id:sosogu_Fukuoka:20220327102340j:plain

2年目を振り返って

2年目の1年間は、「BARなのにお酒のご提供をしない」という、開店前には全く想像していなかった期間もありましたが、周囲のみなさまの応援に本当に励まされました。

あっという間の2年間にも感じますが、「もう5年?」「え、10年?!」という感じで続けていけたらと願っています。(その時自分が何歳かは考えないようにしています!)

 

新型コロナウイルスで世の中が激変する中での営業ですが、制約の範囲で試行錯誤しながらお店の営業スタイルを考える訓練というプラス面もあるかも知れません。

まずは制約なく営業活動ができる日が戻ることを切に願いますが、その後も安穏とすることなくコロナ禍での経験を糧に「そそぐがより楽しいお店になるには、より心地いいお店になるには」を考えて、進化し続けていけるように精進したいと考えています。

引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

 

また堅苦しい締めになってしまいましたが、ご来店はどうぞお気軽に。

3年目も心を込めてそそぎます。

 

http://sosogu.jp

お酒のボトルやラベルに歴史あり(後編)

「そそぐ」の「そそぎ手」サイトウです。
タリスカー10年のパッケージデザイン変更をきっかけにブログの題材にした「お酒のボトルやラベルの歴史」の後半です。

sosogu.hateblo.jp

 

今回は、お酒のボトルの話になると、よく話題に挙がる「Ron Zacapa(ロンサカパ)」について

 

・ロンサカパって

ロンサカパは、中央アメリカ北部に位置するグアテマラ共和国のサカパ市で生産されているダーク・ラムです。

f:id:sosogu_Fukuoka:20220312191950j:plain

メキシコの下にあり、カリブ海と大西洋に面するグアテマラ共和国

1976年にサカパ市が市政100年を迎えるにあたり誕生したラムなので、「ロンサカパ センテナリオ(100年の意味)23」という名前がつけられています。
※23は熟成年から。6~23年のブレンド。

公式HPを見ると、その独自の製法が紹介されています。
サトウキビの一番搾りだけを使用して生み出す自然な甘みや、2300mもの高地で熟成させることで得られる樽の風味など。
詳細は公式HPをご覧ください。読んでいるだけで「えー、おいしそう!」と思う魅力的な紹介文です。すてき。

 

自然な甘みと熟成された薫りがおいしく、「そそぐ」でも人気のダーク・ラムです。

・ロンサカパのボトル

ロンサカパのボトルがなぜ話題になるのか。

それは特徴的なモチーフ「PETATE(ペタテ)」が用いられているからです。

f:id:sosogu_Fukuoka:20220312192233g:plain

ヤシの葉で編んだペタテ(Wikipediaより)



ペタテはマヤ文明時代から続くグアテマラの伝統工芸で、ヤシの葉を織り込んで作ったもの。かつては王朝など高い身分のみが持つことができた高貴なものだったそう。

 

下の写真では分かりにくいですが、ボトルには帯状のペタテが巻かれているほか、グアテマラ共和国の国花「モンハ ブランカ」が立体的にあしらっております。

f:id:sosogu_Fukuoka:20220312192604j:plain

ペタテが巻かれたロンサカパのボトル

 

今でも十分特徴的ですが、かつではボトル全体がペタテで覆われていました。

こんな感じです!

f:id:sosogu_Fukuoka:20220312194257j:plain

かつてのロンサカパ。ペタテですっぽり覆われていました



どうでしょうか。
なかなかのインパクトだと思います。

定かではないですが、僕の記憶では完全にボトルを覆っていたペタテが胴に巻き付く感じになり、徐々にその幅が狭くなって今に至っています。


・なぜペタテの面積が減った?

正確な理由は分かりませんが、バーカウンターで働いている際に、お客様や同僚から幾つもの説を聞きました。

 

  • 昔は瓶のガラスが粗悪だったので隠すためにペタテで覆っていたが、ガラスの品質が上がって隠す必要がなくなった説

 

  • ボトルを覆うペタテは1つの家族しか技術を持っておらず、継承されず再現できなくなった説

 

  • 中身が見えないのをいいことに、量を誤魔化すバーテンダーがおり、中身が見えるように改善された説

 

聞いた時は「へー、そうなんですか!」と合点が行っていましたが、果たして正解はあったのでしょうか。世界中に出回っているラムなので、1家族のみがペタテで覆うように編んでいたのは無理がある気もします。

 

こんな説(逸話?都市伝説?)がたくさんあるあたり、インパクトが強い外見と、こだわった味わいで長く愛されてきた証拠とも言えますね。

 

地元の産業としてのボトル

今回、ブログを書くにあたって検索していたら、このロンサカパのペタテがグアテマラ共和国の女性の生活収入に寄与しているとの記事に出会いました。

 

かつては家庭を守るのが女性の役割だったグアテマラで内戦が起き(1960年~1996年と長く続いた)、夫が戦死した家族が貧困に追い込まれてしまった。貧困に苦しむ女性たちがロンサカパのペタテを編む仕事に就くことで、生活の安定につながったのだとか。

現在でも、約700人の女性たちがロンサカパのペタテ造りに携わっているそうです。

f:id:sosogu_Fukuoka:20220312193238j:plain

ロンサカパ公式サイト( https://www.zacaparum.com/en-us/our-story/petate-weaving )より

こんな話を知ると、お酒は地域に根付いた産業なんだなと改めて思います。

きっとバックバーに並ぶお酒1つ1つに、地元でのエピソードがあるんでしょうね。

 

僕はお酒を造る方ではなく、お酒をそそぐ専門ですが、ここ福岡の薬院2丁目という場所に根付き、「そそぐ」らしいエピソードを増やしていきたいと思います。

 

ろくでもないエピソードにならないよう注意します!

 

http://sosogu.jp

お酒のボトルやラベルに歴史あり(前編)

「そそぐ」の「そそぎ手」サイトウです。

今回は、お酒のボトルやラベルについて書いております。

 

・ボトルやラベルに注目したわけ

きっかけになったのは、「TALISKER(タリスカー)10年」というスコッチ・ウイスキーです。

f:id:sosogu_Fukuoka:20220312181258j:plain

バックバーに並ぶウイスキー。矢印の先がタリスカー10年です



タリスカーはスコットランド・スカイ島にある蒸留所で、1830年から生産されています。

f:id:sosogu_Fukuoka:20220312181353j:plain

どこでスカイ、どこでスカイ・・・はーいここスカイ島!(ゴー☆ジャス風で)

名前は古ノルド語(古北欧語)で「傾いた大岩」を意味する「Thalas Gair」が由来らしく、その名の通り海岸沿いの断崖絶壁や緑が茂る山など壮大な景色が広がるスカイ島の西海岸にあります。

行ってきたかのように書いていますが、僕も写真でしか見たことがありません。

一度訪れてみたいと思っている場所のひとつです。

f:id:sosogu_Fukuoka:20220312181938j:plain

f:id:sosogu_Fukuoka:20220312181949j:plain

スカイ島公式サイト https://www.isleofskye.com/ より

 

アイラ島のウイスキー同様のスモーキーな風味に加えて、コショウを感じるスパイシーさもあり、その特徴的な味わいから根強いファンが多く、ご注文のリピート率が高いウイスキーです。

10年はタリスカーのスタンダード版。スタンダードと言いながら、アルコール度数が45.8度と強め。(40度程のものが主流)

この辺の攻めた感じが、個人的には好きです。

 

 

タリスカー10年のご注文くださったお客様の前にボトルを置くと、みなさま「あれ?」という顔をなさいます。

なぜか。実は最近ラベルが大幅に変わったのです。

ラベルの変化をお客様に気づいていただけるなんて、リピートなさる方が多い証拠ですね。

ちなみに「前のラベルの方がシンプルでかっこよかった」という意見が多いです。

f:id:sosogu_Fukuoka:20220312182326j:plain

左が旧ボトル、右が新ボトル。どちらがお好みですか?

 

・ラベルが違う場合に考えられること

実は新しいラベルのタリスカーが納品された時、僕も「あれ?なんかパッケージもラベルも違う、おかしいな」と思いました。

 

まず思ったのはエイジ(年数)違いです。タリスカーは10年だけじゃなく、他のエイジ(18年、25年、30年がある)や特別版もあります。

ラベルを見ると「AGED 10 YEARS」とあり、タリスカー10年で間違いなさそうです。

 

次に思ったのは、「並行輸入品かな?」です。

海外のお酒は「正規品」と「並行輸入品」があります。

簡単にご説明しますと・・・

 

・正規品

蒸留所やメーカーで生産されたお酒が、日本の正規代理店を通して輸入されたもの。


・並行輸入品

輸入代理店が、海外の蒸留所や現地販売店から直接買い付けて日本で販売しているもの。

 

基本的に中身は変わりませんが(※例外あり)、正規品は日本向けにパッケージがカスタマイズされていることがあります。また、並行輸入品は、旧ラベルや日本以外の国向けのラベル版の場合もあります。

 

例えば、バーボンウイスキーOLD GRANDAD(オールドグランダッド)は、特徴的なずんぐりした形ですが、並行輸入品にはスリムなボトルの形状で内容量が700mlのものや、1000mlのビッグサイズ等バリエーション豊かです。

f:id:sosogu_Fukuoka:20220312182705j:plain

左が正規品ボトル(750ml)と右が並行輸入品の一例(これはスリムボトル 700ml)

 

さて、届いたタリスカー10年の裏の品質シールを見ると、日本語表記で正規代理店も記されており、これまで同様に正規品のようです。

 

ラベルが刷新されていました!

検索してみると、ラベルがリニューアルされていました。

現在のオーナー会社「ディアジオ社」が2030年までの行動目標「Society 2030: Spirit of Progress」を掲げ、その一環として環境に配慮したボトルのラベルやパッケージへと一新したと紹介がありました。

ディアジオ社 Society 2030: Spirit of Progress


新しいパッケージでは、リサイクル性が100%近くに到達し、ボトルに使用するプラスチック成分も86%カットされたそうです。

 

なるほど、そんな企業理念が込められたラベルの刷新だったのですね。

先ほど、「前のラベルの方が人気・・」と書いてしまいましたが、企業の想いを知ると印象も変わってきます。

 

・ボトル「9割以上が昔の方がよかったと思う説」

そもそも、お酒のボトルやラベルに限れば、デザインの出来栄えとは無関係に「以前の方がよかった」という意見が9割以上になる気がします。(サイトウ調べ)

「思い出補正」ってやつだとも思いますが、それだけお酒が、自分が過ごした年代や場所等の記憶と紐づくアイテムなのだとも改めて感じます。

f:id:sosogu_Fukuoka:20220312183547j:plain

角瓶がすっかり定着したアーリータイムスも、以前は丸瓶でした

 

若い頃に飲んだお酒を飲むと、その頃の出来事を懐かしく思い出したりしますよね。

「そそぐ」でも、お酒のボトルやラベルの話になると、「昔はこんな形状でしたよね!」と話が盛り上がるお酒があります。


それは、ダーク・ラムのRon Zacapa(ロンサカパ)。

 

ちょっと長くなってしまったので、ロンサカパのボトルは後編に続きます。

sosogu.hateblo.jp

 

http://sosogu.jp

そそぐの”モノ”:ビールグラス

「そそぐ」のイシザキです。

前回の「実録!2021年にそそいだもの」で書きましたが、昨年はアルコール提供を控える期間があり、提供再開の際には「自宅では飲めなかったから」との理由で生ビールのご注文をたくさんいただきました。

sosogu.hateblo.jp



グラスにそそいだビールをじっくり眺めて、噛みしめるように味わうお客様のご様子が印象的でした。

f:id:sosogu_Fukuoka:20220206145359j:plain

ビール(Regular)とキーマカレー



生ビールは見た目も美味しいように、心を込めて丁寧にそそいでおります。

そそぎ手の心掛けや技術もちろんですが、「見た目も美味しい」にはグラスの存在も欠かせないと思います。

 

そんなわけで、今回は「そそぐ」のビールグラスをご紹介させていただきます。


ビールグラス探し開始

「そそぐ」の生ビールは、検討の結果「HARTLAND(ハートランド)」に決めました。

世の中のビールは全ておいしいのですが(イシザキ個人の感想です)、ハートランドの素材(小麦、ホップ)をストレートに感じる味わいが、木や石など素材を生かした内装の「そそぐ」で飲むとより旨くなるはず!というのが決め手です。

f:id:sosogu_Fukuoka:20220206145828j:plain

木や石(煉瓦)の質感が感じられるようこだわった内装



ハートランドの「素材を生かした味」を生かすため、グラスは以下のような観点をもって探しました。

 

  • 香りが感じられる形

ハートランドは爽やかでほのかに甘い麦の香りも特長のひとつ。
それが感じられるようなもの。(チューリップグラスやヴァイツェングラス)

 

  • リム(飲み口部分)が薄いもの

繊細な泡や素材の旨味が感じられるよう、口にあたる縁の部分が薄いもの。

  • 扱いやすいもの

薄い方がより口当たりは良いですが・・・一方で洗ったり、拭いたり、片付けたり・・の業務に耐えうる強度があるもの

 

  • エレガントさがある

ここはサイトウのこだわりですが、「ステム(脚)がある方がエレガントでステキ」と。
イシザキがビールグラスを吟味して「これなんてどう?」と聞くと、「脚が太いかな。もっと脚が細い方がいい」と難色を示され、何となく屈辱を味わった気になること数回。

 

  • たっぷりの量

やっぱり、飲みごたえがある量が欲しいですよね!

 

 

大まかな部分はカタログやインターネットでもわかりますが、リムの厚みは実際に触ってみないと分かりません。

市内の百貨店を全て回って、東京の河童橋の食器屋さんを端からチェック、ショールームで相談に乗ってもらったりと検討を続けました。

f:id:sosogu_Fukuoka:20220206150211j:plain

東京・河童橋で記録用に許可をもらって撮影したグラス(左)、ショールームで相談に乗ってもらっている様子※これはワイングラス検討時ですね(右)



決定!ビールグラス


検討の末にたどり着いたビールグラスはこちらです。

f:id:sosogu_Fukuoka:20220206150424j:plain

左が生中さん、右が生小さん。1人ずつ紹介するよ!



生中(Regular)

ドイツのメーカーSPIEGELAU(シュピゲラウ)のチューリップグラス。

 

f:id:sosogu_Fukuoka:20220206151147j:plain


シュピゲラウの公式HPによると「ドイツ南部にある森深いバイエルン地方で、500年に渡って高品質なガラスを造り続けている」そうです。そしてこのグラスのラインは、エレガントさを保ちつつ「圧倒的な耐衝撃性」を兼ね備えていると紹介されています。

あくまでもイメージですが、ドイツメーカーが「圧倒的な耐衝撃性」と謳っているなら、かなり丈夫な気がします。

 

丈夫さ◎
リムの薄さ◎
脚の細さ◎ 短いけど!

 

量はたっぷり475ml!

美しい流線型のラインと細い脚でエレガントに見えますが、結構量あります。

f:id:sosogu_Fukuoka:20220206151006j:plain
f:id:sosogu_Fukuoka:20220206151013j:plain
意外とたっぷり入ってます!


シュピゲラウ公式HPには「半分まで注いだ状態でお飲みいただくと、ビールの風味と味わいを最大限にお楽しみいただけます」と50%程度の量を推奨していますが、「そそぐ」では上までそそいでいます。

だって、たっぷり入ってる方が嬉しいじゃないですか!

その分、原価率云々はお得になっております。ぜひご利用ください。

f:id:sosogu_Fukuoka:20220206150559j:plain

公式ではここまでの量。ちょっと寂しい気がしまして・・・



生小(Small)

スモール用も同じ条件で探しました。

こちらはドイツメーカーNachtmann(ナハトマン)の脚付きグラス。

f:id:sosogu_Fukuoka:20220206151543p:plain

「ナハトマン」と書いてますが、「ハ」は本当はカタカナで書き表せない発音なんでしょうね、きっと。


洗練されたシンプルな佇まいと細い脚。見つけた時は、ローマの休日のアン王女役を探している時にオードリー・ヘプバーンに出会ったスカウトのように「君だ!」と胸が高鳴りました。

f:id:sosogu_Fukuoka:20220206151640j:plain

シンプルな形が気に入ったグラス


330mlとちょうどいいサイズ。

もっと少量がいい場合は、クラフトビールS用のグラス230mlでもご提供可能です。

こちらは通称「ミニ」


強めのカクテルを何杯か飲んで、「酔い覚ましにミニビール1杯」を飲んでお帰りになるスタイルの方もいらっしゃいます。

 


よりおいしく味わっていただけるよう、クロスで拭き上げたグラスは一年中冷蔵庫の中でスタンバイしております。

f:id:sosogu_Fukuoka:20220206151855j:plain

冷蔵庫で出番を待ってます!

 

生ビールをご注文の際は、心を込めてそそぐビールの泡とともに、細い脚が自慢のグラスたちにも注目してください。

実録!2021年にそそいだもの

「そそぐ」のイシザキです。
2022年が始まり1週間が経ちました。

 

旧年中はたくさんの方のご来店や応援、誠にありがとうございました。

本年もお一人でも多くのお客様が楽しめるBARを目指して、精進してまいります。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

そそぐのそそいだ実績2021

さて。

そそぐ恒例!(2回目だけど)1年間そそいだものを報告いたします。

f:id:sosogu_Fukuoka:20220108174738j:plain

 

※2020年の実績はこちら

sosogu.hateblo.jp

 

2021年の1年間、お客様のグラスにそそいだものは・・・

 

ばばん!

f:id:sosogu_Fukuoka:20220108181542j:plain



<補足>※2021年1~12月の合計 ※杯数でカウント ※ウイスキーハイボールは「ハイボールメニュー」から頼んだ場合で、ウイスキーソーダ割は「ウイスキー」に含まれています。 ※カクテルには各種カクテルのほか、スピリッツ(ラム、ウォッカ等)のストレートやロックも含みます。 ※分類できないものは除外しています。※・・・というゆるいデータです。

 

 

2021年も、「ふーん」という感想をもつ、特筆なき円グラフかも知れません。

様々なジャンルのお飲み物をそそぐことができました。

多岐にわたる嗜好の方が、「そそぐ」という場所にご来店くださった結果だとポジティブに受け止め、嬉しく思っています。

 

2020年との違いは、お酒のご提供ができない期間があったため、ソフトドリンクの割合が増えたことでしょうか。

また、時間短縮営業の期間は、数人で数杯ずつ飲むことができるボトルワインのご注文が激減する等の変化もありました。

 

時期別の「これをそそいだ!」

もともと「夏は生ビールをご注文なさるお客様が多い」等の季節ごとの変動要素はありますが、2021年はそれ以上に要請による制約に左右された一年でした。

 

そんなわけで、月別のグラフも記載します。(杯数だと生々しいので、割合です)

f:id:sosogu_Fukuoka:20220108175055j:plain

月別のデータ そそいだ割合%のグラフです

 

月別のグラフを見ると、「この期間はアルコールがご提供できなかったな」等の記憶が思い出されます。


アルコールのご提供を控えている期間は、キーマカレーやホットサンドのテイクアウトをメインとして営業しながら、お飲み物は水出しのアイスコーヒーや自家製のジンジャーエール等をご提供しておりました。

f:id:sosogu_Fukuoka:20220108175901j:plain

丸氷を使った水出しアイスコーヒー 雰囲気だけでもBARを


アルコールのご提供を控える期間は5月中旬~6月下旬、8月頭~9月末までと2回ありましたが、解禁後の数日は2回とも同じ傾向があります。

 

それは「生ビールのご注文が多い」です。

例えば、自粛明けの3日間である10月1~3日と、それ以降で比較すると以下のような感じです。

f:id:sosogu_Fukuoka:20220108181843j:plain

解禁数日は、生ビールが特に人気です


アルコールご提供再開に際してお値引きをした後押しもありますが、1杯目は生ビールをご注文のお客様がいつも以上に多くいらっしゃいました。

ご家庭でも好みの缶ビールや選りすぐったワイン、焼酎やハイボールなどを楽しんではいたけど、「生ビールはお店じゃないと飲めないので、まずは生ビールを飲もうと決めていた」と言う方が多く、CMのように目を閉じて噛みしめるように飲んでくださる様子が印象的でした。

f:id:sosogu_Fukuoka:20220108180106j:plain

ハートランド生ビール中 たっぷり440mlです!

 

ビールをそそぐ際は、「よりおいしくなるよう、丁寧に、心を込めて」が日頃からのモットーですが、この期間は特に丹精込めてそそがせていただきました。


2022年は・・・

いわゆる「家飲み」が定着し、みなさまのご家庭のお酒にまつわるアイテムも強化(「ご家庭のBAR化」と呼んでいます)が進む中、


・「今日は『そそぐ』に行こうか」と思っていただくためには?
・「そそぐ」がみなさまの日常生活で、楽しいリラックスした時間を過ごす場所であるには?


等と「そそぐ」の在りようを考えます。

 

2022年も引き続き手探りで、紆余曲折で、右往左往で、山あり谷ありで、東奔西走な一年になるとは思いますが、みなさまからの応援に少しでも応えられるよう頑張ってまいります。

大器晩成と信じて。

 

2022年はどんな飲み物をそそぐ1年になるのでしょうか。

あなたの御贔屓ドリンクを上位にするために、ぜひご来店してご注文ください!
(総選挙商法)


心を込めてそそぎます。

www.sosogu.jp

今、敢えてバーボンについて

そそぐのサイトウです。

 

先日、イシザキとの会話の途中で「バーボンがメインのアメリカン・バーで働いている時に・・」と言ったら、間髪入れず「あら、じゃあバーボンについてブログ書いて」と依頼されました。

 

うっかり職歴も話せない世の中です。

 

そんなわけで、今回はサイトウのバーボンの想い出を書いてみます。

2021年8月末時点、ここ福岡ではお客様への酒類の提供を控えるよう指示が出ています。

この時期に、アメリカの禁酒法時代の象徴でもあるバーボンについて考えるのは奇異と言うか、皮肉と言うか。

30年近く飲食店勤務をしてきましたが、こんな日が来るとは・・・です。ほんとに。

 

バーボン・ウイスキーとは

改めて書くまでもないかもしれませんが、アメリカ合衆国のケンタッキー州を中心に生産されているウイスキー(アメリカン・ウイスキー)の1種です。

f:id:sosogu_Fukuoka:20210830133104p:plain

倦怠期、倦怠期・・・そーれ ここ ケンタッキー!(c)ゴー☆ジャス

 

ケンタッキー州に「ブルボン郡」という郡(地方行政区分)があり、その地名が「バーボン」の由来になっています。

「ブルボン郡」は、アメリカの独立戦争の際にアメリカ側についたフランスに敬意を込めて、フランスの「ブルボン朝」から名付けたそうです。

へー。

 

ルマンドでお馴染みのお菓子メーカー「ブルボン」も、フランス菓子を意識したんだろうなぁと思って調べたところ、公式HPに「マダガスカル島付近のブルボン島(現在のレ・ユニオン島)で 採れる良質なコーヒー豆を使いブルボンコーヒーという商品名で製造販売していたことがありました」と記載がありました。意外!

f:id:sosogu_Fukuoka:20210830132529j:plain

ルマンドおいしいです!




バーボンに話を戻すと、「バーボン」と名乗るには、原材料やアルコール度数、製造過程に幾つも条件が決められています。

f:id:sosogu_Fukuoka:20210830133225j:plain

サントリー(www.suntory.co.jp)のQ&Aにあるバーボンの定義

 

蒸留過程では、もろみを追加しながら蒸留を繰り返す「連続式蒸留機」で効率的にアルコール濃度を高めます。

熟成期間に下限はありませんが(スコッチは3年以上と決められている)、4年未満の場合はラベルに熟成期間を明記するよう決められています。※ストレートを名乗る場合は2年以上の熟成が必要

 

f:id:sosogu_Fukuoka:20210830133509j:plain

アメリカン・ウイスキーの区分(Wikipedia)

 

原材料にトウモロコシを含むので独特の甘みがありますが、ずしっとアルコールを感じる力強さも。

また、焦がしたオーク樽で熟成させるので、カラメルのような風味もあります。

甘い香りと風味から牛乳との相性も良く、バーボンを牛乳(生クリーム)で割るCowboy(カウボーイ)と言うカクテルもあります。

 

ウイスキーのラベルをよく見ると、スペルの違いに気づくと思います。

スコッチ・ウイスキーは「Whisky」、アイリッシュ・ウイスキーは「Whiskey」。

アイリッシュ・ウイスキーの流れをくむアメリカン・ウイスキーは「Whiskey」が使われています。

f:id:sosogu_Fukuoka:20210830133555j:plain

ジャパニーズ・ウイスキーはスコッチの流れをくむので「Whisky」


 

四半世紀前のバーボン事情

僕がアメリカン・バーで働いたのは、1995年頃。

今から25年以上も前になります。

1989年(平成元年)にウイスキーの階級が撤廃され、一気にウイスキーの価格が変わり、バーボンを含む海外のウイスキーが身近な存在になりました。そんな頃です。

 

1996年(平成8年)以降は、海外との交渉の結果等でウイスキーの酒税が下がるので、ウイスキーの存在がもっともっと身近になっていきます。

f:id:sosogu_Fukuoka:20210830133758j:plain

ウイスキーの酒税は1989年(平成元年)に一気に変わってます

 

また、バーボンのメーカーの盛衰なのか、流通の変化なのか、よく出会うバーボンの銘柄は大きく変わりました。

 

働いていたバーで人気だった銘柄を幾つかピックアップしてみますが、今は見かけないものもあります。

 

  • SUNNY BROOK(サニー ブルック)
  • BELLE OF KENTUCKY(ベル オブ ケンタッキー)
  • KENTURCKY COLONEL(ケンタッキー コロネル)
  • KENTUCKY GENTLEMAN(ケンタッキー ジェントルマン)
  • THE YELLOW ROSE OF TEXAS(ザ・イエロー・ローズ・オブ・テキサス)
  • ANCIENT AGE(エンシェント エイジ)

f:id:sosogu_Fukuoka:20210830133939j:plain

お店で愛されたバーボン・ウイスキー達


今はスーパーでも手軽に買えるMaker's Mark(メーカーズ マーク)、当時は高級バーボンでした。

ボトルに封をする蝋の色がブラックやゴールドの限定品が出て、マニア心をくすぐられました。

f:id:sosogu_Fukuoka:20210830134142g:plain
f:id:sosogu_Fukuoka:20210830134059j:plain
f:id:sosogu_Fukuoka:20210830141825j:plain



長く明治屋が輸入していましたが、現在は蒸留酒生産者がサントリーのグループ会社になったようで、より日本での流通が増えたのかも知れません。

 

先ほど「アメリカン・ウイスキーのスペルは“Whiskey”」と書きましたが、メーカーズマークは創始者がスコットランド系のため、バーボンにも関わらずラベル表記は“Whisky”です。ここ、テストに出ます。

 

他にも、I.W.HARPER12年(ハーパー12年)やBLANTON’S(ブラントン)は、高級バーボンの印象が強く残っています。

 

ブラントンの想い出

ブラントンの名前は知らなくとも、印象的な八角形のボトルの形と競走馬を冠したキャップに見覚えがある方は多いのではないでしょうか。

1984年にケンタッキー州の州都・フランクフォートの200年を記念して誕生した、比較的新しいバーボンです。バーボン造りの名人であるアルバート・ブラントン大佐の名前にちなんでいます。

 

f:id:sosogu_Fukuoka:20210830134416p:plain

キャップはケンタッキーダービーの優勝馬を模していて、8種類あるそうです。

 

バーボンはブレンドが一般的ですが、ブラントンはシングルバレル(1つの樽から瓶詰め)であり、さらに樽番号等が手書きされているのも特別感があります。

f:id:sosogu_Fukuoka:20210830134443j:plain

ブラントン手書きのラベル(現在輸入している宝酒造のHPより)


  

働いていたバーが周年記念のイベントで、「ボトルキープ1本につき、無料でもう1本差し上げます」という企画を実施しました。

とても好評で、たくさんのお客様がウイスキーボトルをキープくださいました。

 

その際に、常連のお客様が「じゃあブラントンを。1本はスタッフのみなさんで飲んで」と粋な計らいをくださいました。

当時まだまだ若かった僕は、高級バーボンを指定して、さらに「1本はみなさんで」とさらっと言ったお客様に「カッコいーい!」と憧れを感じたものです。

 

しかしながら僕はその日、そのブラントンを1人で半分飲み、そのままお店で寝てしまいました。若き日の想い出です。

今はあのお客様の年齢を上回りましたが、中身は当時のままのような・・・・気がします。

 

そそぐのバーボン

バーボンは現在3種類を置いています。

「そそぐ」では、ハイボールのウイスキーを種別で指定していただきますが、「バーボン」はOLD GRAND-DAD(オールドグランダッド)を選んでいます。ハウス・ワインならぬ、ハウス・バーボンのような存在です。

f:id:sosogu_Fukuoka:20210830135746j:plain

そそぐのハイボール。選ぶのが楽しいと好評です!

 

風味があり力強い味わいが美味しいというのが筆頭ではありますが、僕がアメリカン・バーで働いている頃からずっと変わらず日本で流通し続けるいぶし銀(?)なバーボンであることも理由です。

また、アメリカン・バーでオールド・グランダッドを選ぶお客様達は、どことなく洗練された佇まいがあった記憶があり、「そそぐ」もそんな雰囲気をもつお店にしたい願いも込めて。

僕がその佇まいを身に着けるのは難しいので、バーボン頼みです。

 

その他、「そそぐ」の近くにある地名「古小烏」にちなんでOLD CROW(オールド・クロウ)と、昔よく飲んだTHE YELLOW ROSE OF TEXAS(ザ・イエロー・ローズ・オブ・テキサス)。この2つは、オールド・グランダッドと比べるとキリッと尖った味わいが特徴です。ソーダで割っても美味しいですよ。

 

f:id:sosogu_Fukuoka:20210830135234j:plain
f:id:sosogu_Fukuoka:20210830135243j:plain
そそぐのバーボン、どれも思い入れがあります

 

今回、ブログを書くにあたって改めてバーボンについて調べていたら、「こだわりのバーボンを造る小さな蒸留所が増えている」という記事を見ました。
いわゆる「クラフト・バーボン」です。お酒と出会った頃からの長い付き合いのバーボンも大好きですが、新しい味も取り入れていきたいですね。

 

いずれにしろ、ご来店くださるお客様に、このブログのような他愛のない話をしながらお酒をそそぐ日が1日でも早く訪れることを願ってやみません。

その日まで、しっかり鍛錬しておきます。

 

そそぐ www.sosogu.jp

旅とお酒(3)シンガポールのカクテル「シンガポール・スリング」

そそぐのイシザキです。

 

7月14日現在、4月21日以来久しぶりに通常時間に営業を行えています。
時短営業中に「旅」と「お酒」のブログを書きます!と宣言しておりましたが、遅筆なため僅かな投稿でした。

が!6月に書いた内容を更新し忘れていたので、今更ですがアップいたします。

 

 **********<2021年6月記載>**********

 コロナ禍の緊急事態宣言中にできた時間で、行動がままならない「旅」と「お酒」に想いを馳せて書いています。6月に入っても宣言が継続しており、3つ目を書くことにしました。

 

今回は、シンガポール発祥のジンがベースのカクテルSingapore Sling(シンガポール・スリング)


シンガポール・スリング

とても有名なカクテルなので、ご存じの方も多いと思います。

カクテル名のシンガポールはもちろん国名ですが、スリング(Sling)は、ドイツ語のSchlingen(飲み込む)からきているそう。

 

スリング。

耳慣れない単語なので、最初「シンガポール・スリリング」だと思ってました。(ネットで調べたら、シンガポール・スリングあるあるのようでした。)

 

シンガポール・スリング誕生

発祥は、シンガポールのラッフルズホテルにあるLONG BAR。

Wikipediaによりますと、1915年にチーフバーテンダーであった厳崇文(ニャン・トン・ブーン)が最初に考案したもの。

当時、女性は人前でお酒を飲むのは慎むべき行動だったので、一見ジュースのようなカクテルを生み出したとのこと。

「時代か」と思いますが、奇しくもお店で酒類がご提供できない今、「制約の中からアイデアが生まれるんだなぁ」と共感もします。

 

厳崇文が名バーテンダーとして神格化されていますが、Wikipediaを読み進むと厳崇文の甥にあたるロバート・ニャンが、忘れられていたレシピを発見し、甘過ぎたレシピを改善して南国風のデザインに変えたことで人気が出たとか。

実はこっちが立役者かも知れません。

 

シンガポール・スリングは、ラッフルズホテルに長期滞在した英国人作家William Somerset Maugham(ウィリアム・サマセット・モーム)の作品「手紙」の中で取り上げられ、欧州での知名度が上がったそうです。

f:id:sosogu_Fukuoka:20210713215423j:plain

サマセット・モーム@ラッフルズホテル

余談ですが、サマセット・モームは、各国に長期滞在し、取材や執筆活動をしつつ、その実は秘密諜報活動をしていたとか。007のジェームス・ボンドのモデルとも言われています。へー。
さらに余談ですが、医師免許も持っていたそう。すごー。 

 

ラッフルズホテルのレシピ(いま尚、日々進化しています)

  • ドライ・ジン30ml
  • チェリー・ブランデー 15ml
  • パイナップルジュース  120ml
  • ライムジュース  15ml
  • ベネディクティン  7.5ml
  • コアントロー  7.5ml
  • グレナデンシロップ  10ml
  • アンゴスチュラビターズ  1dash(バースプーン)
  • パイナップル(飾り用)
  • レッドチェリー(飾り用)

 

スタンダード・カクテルとしてのシンガポール・スリング

シンガポール・スリングがスタンダード・カクテルとなったのは、ロンドンのサヴォイ・ホテルでチーフ・バーテンダーだったハリー・クラドックが、レシピの簡素化を行い、1930年刊行の「サヴォイ・カクテルブック」に掲載したことがきっかけです。

 

ジンをベースとし、桜色のチェリー・ブランデーを加える点は共通ですが、レシピは相違点が多くありますね。

 

一般的なレシピ

  • ドライ・ジン 45 ml
  • チェリー・ブランデー 15 ml
  • レモンジュース 20 ml
  • 砂糖 1-2tsp(ティースプーン)
  • ソーダ水 適量
  • マラスキーノ・チェリー(飾り用)


LONG BARにて

LONG BARで飲むシンガポール・スリングは特別!
ということで、観光客(私も含む)で賑わうラッフルズホテル LONG BARへ。

f:id:sosogu_Fukuoka:20210713215902j:plain

2015年12月はクリスマス仕様
f:id:sosogu_Fukuoka:20210713220034j:plain
f:id:sosogu_Fukuoka:20210713220018j:plain
徐々に近づくLONG BAR

 

f:id:sosogu_Fukuoka:20210713220138j:plain

店内写真は公式サイトのもの。2019年に改装されたそうです。

 

もちろん、飲み物のラインナップは充実していますが、半数以上のお客様がシンガポール・スリングを飲んでいます。(私は頼んでいませんが、1915年当時のレシピ「ラッフルズ1915ジンスリング」も並んで人気だそうです。)

f:id:sosogu_Fukuoka:20210713220347j:plain

当時の正確な価格は忘れましたが、気前のいい居酒屋で楽しめる位

 

LONG BARのシンガポール・スリングは、一般的なレシピよりフルーツが潤沢な分トロピカルな味わいでやや甘め。
暑い気候と南国ムードのBARの内装の中で飲むと、テンションが上がります。

 

テーブルにはピーナッツが入った袋が置かれていて、自由に食べることができます。さらに殻をフロアにポイ捨てするスタイルが楽しいです。

f:id:sosogu_Fukuoka:20210713220450j:plain
f:id:sosogu_Fukuoka:20210713220507j:plain
テーブルに置かれるピーナッツと殻が散らばるフロア



シンガポール・スリングのレシピは日々進化を続けているそうです。
左は私が飲んだ2015年のもので、右は現在のもの(公式HPより)
進化がわかりますか?

f:id:sosogu_Fukuoka:20210713220347j:plain
f:id:sosogu_Fukuoka:20210713220600j:plain
チェリーがダークチェリーに変わっています(ドリンクの色の違いは写真のせい)

<注>ブログに登場するお酒は「そそぐでどうぞ!」と書くことが多いですが、ラッフルズホテル シンガポール・スリングは今時点で残念ながらご用意できておりません。

 

「旅」と「お酒」に想うこと

おうちでも、世界中の美味しいお酒を楽しめる時代。

流通の進化!とても有難く、素敵なことだと思います。

 

一方で、ブログを書こうと昔の写真を眺めて「また行きたいな」と想いを馳せたり、いつかパリのHarry's New York Bar(ハリーズ・ニューヨーク・バー)で、お店発祥と言われる「サイド・カー」や「ホワイト・レディ」を飲んでみたいと憧れたり、キューバの酒場でモヒート巡りをしたい・・・という夢もあります。

あ!お酒の誕生の背景や小難しいウンチク抜きで、ただ「美味しい」とだけ味わうのも楽しいですね。

お酒の楽しみ方は限りなく自由ですが、「そそぐ」での1杯はご提供するお酒の一片をスタッフがお伝えしたり、偶然居合わせたお客様のエピソードを伺う“町内サイズ”の楽しみがあります。

 

まだまだ気が抜けない状況ではありますが、世界のお酒を楽しむ選択肢の1つとして、ご来店くださるお客様に楽しんでいただけるよう精進してまいります。

 

********* 

 

今回は「旅」が薄めでした。人気の観光地のシンガポールについて、私が改めて紹介する必要はないとも思いつつ、写真だけ掲載させていただきます。

 

シンガポール飯テロ

2004年と2015年のもの、混在しています。

f:id:sosogu_Fukuoka:20210713220815j:plain
f:id:sosogu_Fukuoka:20210713220750j:plain
f:id:sosogu_Fukuoka:20210713220716j:plain
f:id:sosogu_Fukuoka:20210713220801j:plain
f:id:sosogu_Fukuoka:20210713220739j:plain
f:id:sosogu_Fukuoka:20210713220726j:plain
f:id:sosogu_Fukuoka:20210713221203j:plain
f:id:sosogu_Fukuoka:20210713221238j:plain
f:id:sosogu_Fukuoka:20210713221313j:plain



 

シンガポール動物園

オラウータンと朝食を食べたり、像にバナナを渡したりと触れ合いが楽しい動物園でした。ホワイトタイガーもかっこいい。(2004年当時)

f:id:sosogu_Fukuoka:20210713220933j:plain
f:id:sosogu_Fukuoka:20210713220943j:plain
f:id:sosogu_Fukuoka:20210713221422j:plain



Tiger Beer

オランダの技術を受けて、シンガポールを筆頭にアジア各国で生産され、今や世界で愛されるビール。「個人は受け付けてないけど、団体予約に紛れてならいいよ」と見学を許可いただきましたが、その団体が直前キャンセルとなり、貸し切り工場見学をさせていただきました。贅沢な体験でした。(2004年当時)

f:id:sosogu_Fukuoka:20210713221707j:plain
f:id:sosogu_Fukuoka:20210713221712j:plain
f:id:sosogu_Fukuoka:20210713221721j:plain


そそぐ www.sosogu.jp