「飲み方研究家」にして「そそぎ手」のサイトウです。
今日は、お客様に寄り添った「飲み方」を開発した1人の人と、その「飲み方」にまつわる儀式があるお店について書かせていただきます。
寄り添った「飲み方」開発
このめんスシリンダーのようなグラス、どんなお客様に寄り添った「飲み方」だと思いますか。
この仕様は「馬に乗ったままビールを飲むため」です。
ベルギーで醸造所と宿屋を営んでいたパウエル・クワックさんが、宿屋に立ち寄るものの馬から降りて休むのを許されない馬車の乗員たちがビールを味わえるよう、グラスを馬車に取り付けて馬に跨ったまま飲めるように考案したと言われています。
“クワック”には“気前の良い男”という意味があるらしく、その名の通り量も多いです。
自分がグラスを考案できるかは分かりませんが、「自分のお店でみなさんを元気にしたい」という想いは「そそぐ」も同じです!
Kwak(クワック)を頼むと儀式があるお店
そして、このクワックを提供する時にある儀式があるビアバーが、ベルギーの学園都市ゲントあります。
De Dulle Griet 公式HP http://www.dedullegriet.be/
僕も前からぜひ行ってみたいと思っていたお店で、職場の研修でのベルギー醸造所訪問の際に実現しました。
このお店でKwak(クワック)のMAXサイズを注文すると、鐘が鳴って靴を片方もっていかれます。(靴はかごに入れて天井に吊り下げられます)その後、理科実験のフラスコのような大きな容器に入ったビールにありつくことができます。
なぜ靴を担保に預けるかと言うと、酔っ払って支払いせずに帰るのを防ぐため、その特徴的なグラスを持ち帰る人を防ぐため・・という抑止効果のためだそうです。
しかし実際は、お店には持ち主不明の片方だけの靴がたくさん残されていました。
酔っ払って靴を忘れて帰った人か、どうしてもグラスが欲しかった確信犯か分かりませんが・・・僕たちもみんな片足靴下でワイワイビールを飲んでいると「ま、靴なんてどうでもいっか!おかわり!」みたいな気持ちになってしまいました。(Kwakのアルコール度数は8.4%、そこそこ酔います)
※ちゃんとお支払いしてグラスも持たずに帰りました。
「そそぐ」では、靴を片方預けなくても気持ちよくお店を出られる飲み方をご提案する一方・・・お客様によっては年数回ある「今日だけは酔うまで飲みたい気分」にも寄り添いたいと思っております。
靴を担保にする予定はありませんが、お店を営業する中でそんな仕組みが生まれるかも知れません。いつもはスマートに飲むお客様が、「スミマセン、今日はこの気分なんで。いいですか」と言いながら靴を片方脱いで差し出し、我々が頷いてそっと受け取る・・・想像したら悪くないですね。
でも、靴ではお互い大変なので、「そそぐ」ではもっと手身近な方法でお客様の「今日の飲み気分」を伺える方法を考えております。「そそぐ」に行くときは脱ぎ履きし易い靴を選ばなきゃ・・等は心配ご不要です!往年のレスラーのような編み上げブーツでも安心してお越しください。
そそぐHP: http://sosogu.jp