そそぐ This Bar is SO SO GOOD.

福岡市中央区薬院にあるBAR。世界の「カンパイ」のかたちをキュレーション。お客さまとの対話でその人にぴったりの “ 飲み方 ”を提案するBARです。

サイトウ、カクテルについて書くてる

タイトルすみません。

男性は中高年になると、脳の仕組み的に、ダジャレが思いつきやすく、それを言うのを我慢できないそうです。

 

「飲み方研究家」にして「そそぎ手」のサイトウです。

わたくし事ですが、2月1日にひとつ歳をとりました。

またひとつ、大人への階段を上ってしまいましたが、子供の心を忘れず精進してまいります。

f:id:sosogu_Fukuoka:20210205125326j:plain

いらすとやさんの素材の多様性ったら

 

イシザキから「誕生日の記念にブログを書こうか!」と言いくるめられ、「記念って何?」と釈然としないまま内容を考えました。

 

誕生日に無理やり紐づけると、来年の2月1日には、僕がお酒を飲める年齢になって丸30年を迎えます。お酒を飲んだのは、20歳を超えてしばらく経ってからですが、当時はカクテルが流行っていて、僕のバーデビューもカクテルでした。

 

そんなわけで、今回はカクテルについて書いてみようと思います。

 

カクテルとは

改めて書く必要はない気もしますが。

 カクテル(英: cocktail)とは、ベース(基酒)となる酒に、他の酒またはジュースなどを混ぜて作るアルコール飲料のこと。(Wikipediaより)

洋酒ベースのものだけでなく、例えば焼酎のお湯割りも広義で「カクテル」です。

 

これまで深く考えたことがありませんでしたが、Cock(雄鶏)Tail(尾)と書くんですね。
理由を知りたいと思って調べましたが、諸説あったのと、それぞれが結構複雑なストーリーで要約できそうになかったので、「アルコールが入っている目印として、雄鶏の尾尻の羽をグラスに差した」という直球な説だけご紹介しておきます。

f:id:sosogu_Fukuoka:20210205125440j:plain

差す前に洗ったよね?大丈夫だよね?

 

カクテル作り修行

僕がバーで働き始めた頃は、カクテルが大人気。

先輩バーテンダーの所作に憧れ、小豆と米をシェーカーに入れて均一に混ざるようにシェークの練習をしたり、所属する協会が主催するセミナーで、巨匠と呼ばれるバーテンダーから指導を受けたりと励んでおりました。

 

トム・クルーズ主演の映画「カクテル(1989年)」にはまり、フレアバーテンディングのボトルキャッチ(トス、フリップ)をやってみたり。若気の至りです。

f:id:sosogu_Fukuoka:20210205125705j:plain

「カクテル」のフレアバーテンディングシーン。「そそぐ」だと、天井激突です。

 

その後、ベルギービール専門店に勤めてカクテルをご提供する機会がなくなったこと、自分自身がウイスキーにはまり、生(き)のお酒を楽しむ機会が増えたことで、カクテル作りの鍛錬から遠ざかってしまいました。

 

僕は「バーテンダー」ではなく「そそぎ手」と名乗っていますが、「世界中の作り手が生み出したお酒を、お客様のグラスにそそぐのが自身の役割」と考えているほか、「カクテルの日々鍛錬と距離がある僕が、バーテンダーを名乗れない」と言う思いが実はちょっとあります。それは僕が「バーテンダー=カクテルが作れてこそ」という時代に、カウンター修行をしたせいかも知れません。

 

「そそぐ」でのカクテル事情

もちろん「そそぐ」でも、カクテルをお出しすることがあります。

ジントニックください」という名称でのご指定から、「芋焼酎の酹(そそぐ)にカンパリを少々」と言った、一瞬「え?」と戸惑うご指定まで。できる限りお作りするのがモットーです。

 

※酹カンパリのお話はこちら

 

しかしながら、先述の「カクテルの日々鍛錬から遠ざかっている」と言う思いからか、積極的なアナウンスは控えておりました。

開店に向けて購入したバロンシェーカーやストレイナーは、ひっそり棚に。

f:id:sosogu_Fukuoka:20210205131735j:plain

/ 僕たち、出番ないかと思ってました \



そんなカクテルに消極的なバー「そそぐ」ではありますが、最近よくリクエストをいただくのが、007カジノロワイヤルに登場する「Vesper Martini(ヴェスパーマティーニ)」

f:id:sosogu_Fukuoka:20210205131856j:plain

左の画像は、007愛好家のYouTube(www.youtube.com/watch?v=FlqSoFuEDs0)の動画をお借りしています


ゴードンズのジンを3オンス、

ウォッカを1オンス

キナ・リネ半オンス

冷たくなるまでシェイク

削いだレモンの皮を添える

※キナ・リネは終売なのでリレ・ブランを代用

※量は映画より少なめでお作りしています

 

手に入らないキナ・リネは代用品(リレ・ブラン)を使用したりと、100%再現とは行きませんが、007ファンのお客様には「ジェイムス・ボンドの気分」と好評をいただいております。

ただし、Vesper Martiniは、酒+酒+酒のカクテル。かなりアルコールが強いのでご注意ください。

 

ジェイムス・ボンドはこれを飲みながら、生死を懸けたポーカーをやるのですからすごいです。さすがです。

f:id:sosogu_Fukuoka:20210205132150j:plain

「何これ。めちゃ強いやんけ!」と思っていたりして。

 

この他にも、寒い今の時期はアイリッシュコーヒーをお作りする機会が多くあります。

 

思い出のカクテル

僕の想い出のカクテルは「White Lady(ホワイトレディ)」

ドライ・ジンをベースに、ホワイトキュラソーとレモン果汁を加えてシェイクするショートカクテルです。

ジンのさわやかな口当たりと、ホワイトキュラソーのほのかな甘みがおいしく、世界中で愛されているポピュラーなカクテルの1つだと思います。

f:id:sosogu_Fukuoka:20210205132308j:plain

https://en.wikipedia.org/wiki/White_Lady_(cocktail)

想い出の理由は、それが初めて飲んだカクテルだからです。

初めてバーに行った際、バーテンダーの方のおすすめに「じゃあ、それで」とお願いしましたが、自分のためにメジャーで量られたお酒がシェーカーに投入され、シェーカーが振られて目の前のグラスにそそがれる様を眺めるのは素敵な時間でした。

 

実は「そそぐ」が開店して2日目にご来店くださったお客様から「ホワイトレディはできる?」と尋ねられました。

開店間もないその時は、まだホワイトキュラソーを揃えておらず、お断りをせざるを得ませんでした。その日のうちに、コアントロー(ホワイトキュラソーのひとつ)を注文しましたが、未だそのお客様にホワイトレディーをご提供できておりません。こちらは、ちょっとほろ苦い思い出です。ジンだけに!(中高年の脳のせいです)

 

 

「そそぐ」のお酒のラインナップは、マニアックなものはなく、ビギナー向けのベーシックなものがメイン。カクテルの素材は、カクテルバーと比べて少なめです。

ご提供できるカクテルに限りはあるかと思いますが、可能な限りお客様のご希望に沿いたいと思っておりますので、どうぞお気軽におっしゃってください。

 

そそぐHP: http://sosogu.jp