「そそぐ」は開店から1年を迎えることができました。
お店の目途も立たない中書き始めたブログですが、こうして1周年の報告ができて不思議な気持ちです。
ちょっと長くなりますが、12か月の「そそぐ歳時記」を書いております。
2020年3月(3月の季語:そそぐ開店)
3月4日に保健所の営業許可が出て、「そそぐ」は実在する飲食店となりました。
知人向けのクローズドなレセプション営業を経て、3月22日に開店。
以前のブログにも書きましたが、ドキドキして看板を点した5分後に最初のお客様がいらして「『そそぐ』を開店したんだなぁ」と実感しました。
2020年4月(4月の季語:予定外のキーマカレー)
4月に入り間もなく、福岡に新型コロナウイルス感染の緊急事態宣言が出されました。
休業する選択肢もありましたが、開店した「そそぐ」を1人でも多くの方に知っていただくため、超がつく駆け出しではありますが、飲食店として日常に活力となる飲食をご提供できれば!と開店を11:30と早めて営業を行うことにしました。
テイクアウト用にキーマカレーやピタサンドをメニュー化。近隣の方が「大変な時期に開店したから、応援しようと思って」とお買い求めくださることもあり、とても励まされました。
2020年5月(5月の季語:イシザキ悪酔い)
5月は、おおよそGWとは思えない人通りの中で幕を開けました。
5月下旬に緊急事態宣言は解除されましたが、月末まで11:30~19:00ラストオーダーで営業。
呑気なブログで唐突に赤裸々な話ですが、この月は売り上げが低く「そそぐ」の将来に不安を持たずにはいられませんでしたが、お客様から「いいお店だから、きっとお客さん増えるよ」と言葉をかけていただき、勇気づけられました。
誕生日を迎えたイシザキが飲み過ぎて、翌日青ざめた顔で開店準備をしたのもこの月。自戒を込めて書き記しておきます。
2020年6月(6月の季語:ビールサーバー)
6月1日からは、時間を12:00~22:00に延長して営業。
しばらく稼働を停止していた生ビールサーバーも再稼働、日本酒のご提供を開始と、ようやく「BARとしての『そそぐ』」にエンジンがかかってきた月だったように思えます。
2020年7月(7月の季語:ポスティング)
3月にこっそり開店して粛々と営業をしておりましたが、「地域の皆さんに知ってもらおう」とPR活動をすることにしました。え、遅くない?その通りです。
ともかく。7月の23~26日の連休に「クラフトビールフェア」を企画し、8月末までお使いいただける割引券を貼付したチラシをポスティングしました。
チラシをきっかけにご来店してくださったお客様もあり、大変嬉しかったです。
ちなみに、ポスティングの内容を書いたブログは閲読が比較的(あくまでも“比較的”です)高く、ご覧くださった方から「ポスティングのブログ読みましたよ」と言われることが何度かありました。調子にのって、次回はABテストでもやってみようかと余計な欲が出てしまっています。
2020年8月(8月の季語:虫よけネット)
お客様からアドバイスをいただき、虫よけネットを導入し、ドアを大きく開けて営業を始めました。
開放的な雰囲気になったおかげで、それまで「入りづらい」と感じていた方も「入ってみようかな」と思ってくださったり、換気の良さが安心だからとリピートくださったりと、近隣の方に「そそぐ」が認知してもらうきっかけにもなりました。
今年は、早めに虫よけネット&ドア解放営業をスタートしたいと思っています。
2020年9月(9月の季語:台風一過営業)
9月まで12:00~22:00で営業。
9月6日の夜から7日の午前中にかけて、台風10号の直撃が予想されました。
6日は窓の補強をして18時に店を閉め備えましたが、翌日風が治まってからドキドキしてお店に向かったらお店は被害なし。「よし、じゃあ営業しよう」15:00からお店を開けたところ、営業時間は短いものの9月の来店者数No.1を記録しました。
小さいBARは、機動力がアドバンテージだなと学んだ1日でした。
徐々に夜の時間帯のお客様が増えてきた月でもあります。
2020年10月(10月の季語:Googleすげぇ)
10月1日より、営業時間を14:00~23:30にしました。
Googleマイビジネス(店舗情報を入力するツール)に登録した営業時間が22:00までだと、21:00過ぎにお店へのルート検索ををした際に「到着する頃には閉店間近です」と案内が表示され「じゃあ今日は止めとくか」となる・・という話を伺ってから、腹を括って夜時間帯にシフトしました。アドバイスは吸収するタイプです!
秋の気配が強くなり、熱燗や焼酎のお湯割りなど、温かいお飲み物のご要望をいただくことも増えてきました。
2020年11月(11月の季語:まさかのおでん)
初めて迎える冬(しかも換気が必要)に向けて、身体が温まるフードを・・・と考えた結果、おでんをメニュー化しました。「スタイリッシュなBAR」にはマイナスですが、「身体が温まるフード」の機能は十分で、楽しみにご来店くださるお客様もいらっしゃいました。
<おでん余談1>
人気の具材は断トツで大根。「そそぐ」はその日ある具材から3つ、または5つをお選びいただくのですが、9割の方は大根をチョイスなさった印象です。次点は玉子でしょうか。
<おでん余談2>
日本酒や焼酎との相性はもちろん、ウイスキーとも相性は悪くないようで、皆さんウイスキーとおでんを楽しんでくださいました。
アイリッシュコーヒー(コーヒーにリキュールを入れ、生クリームを乗せたカクテル)とおでんをご注文くださったお客様には、念のため「おでん召し上がった後にアイリッシュコーヒーお出ししましょうか」と確認しましたが、「いや、一緒でいいです」とおでんをアテにアイリッシュコーヒーを楽しんでくださいました。アイルランドと江戸の出会い。開国シテヨー的な。
2020年12月(12月の季語:サイトウ酩酊)
初めての年越し。新型コロナウイルスが再流行し始めて、帰省や旅行を取りやめて福岡で年越しを迎える選択をなさるお客様が多くいらっしゃることから、休暇中の散歩の途中にでも立ち寄っていただけるようにと、休まず営業することにしました。
年末気分のサイトウが飲み過ぎて、営業中から役立たずになったことを翌年への戒めを込めて書き記しておきます。自戒じゃない他人への戒めって、単なる陰口?でもやっぱり書いておこう。
2021年1月(1月の季語:美容室の雑誌の影響力侮れない)
三が日は、帰省を取りやめた方にもお正月を感じてもらえるようお雑煮や簡単なおせちをご用意。
ささやかな季節感ですが、「お正月気分を味わえた」と好評でした。
福岡のグルメ情報誌「ソワニエプラス」の新年号に掲載いただいた直後に、福岡にも緊急事態宣言が出されました。
時短営業は昨年も経験があるので、テイクアウトの準備もスムーズに行えましたが、「雑誌を観てのご来店があるかも」と胸を膨らませていた矢先でしたので残念でした。
それでも有難いことに「ソワニエを観てきました」とおっしゃるお客様は時々いらっしゃいます。「美容室で観て、その足できました」というお客様もいらっしゃいました。(しかも2名!)
2021年2月(2月の季語:壁の時計)
2月の1か月間は20:00までの営業。
「よいバーはお客様に時間を意識させない」というサイトウのポリシーを曲げて、時計を壁に掛けての営業となりました。
お客様が時計をチラチラ見ながら急ピッチでビールを飲む姿や、慌ただしく帰り支度をなさる姿に申し訳ない気持ちになりましたが、時短の中でも「1杯だけでもここで飲みたい」と立ち寄ってくださるお客様がいらっしゃることに大変励まされました。
2021年3月(3月の季語:そそぐ開店1年)
時短営業要請が解除された翌日の3月22日、「そそぐ」は1周年を迎えることができました。
周年にあたってたくさんの方が足を運んでくださり、1年間の営業で多くの出会いがあったのだなぁとしみじみ嬉しく感じました。ありがとうございました。
1年を振り返って
当初考えていた日々とはかけ離れた1年目でしたが、コロナ禍関係なく、初めて開くお店の1年目って想定外続きだったかも知れません。
カウンターの中にいると、様々なお客様のお話を伺う機会がありますが、ほとんどの方がコロナ禍の中で日常生活・働き方に大きな変化が生じていらっしゃいます。
変化に戸惑いながらもそれに対応し、毎日を頑張っているみなさまのお話を伺うと、自分も頑張りたいと思えました。
この1年間、「そそぐ」は孤軍奮闘ではなく、日々の変化に対応するみなさまに引っ張られて、何とか1年を迎えられたと思います。
2年目も予期しない出来事があると思いますが、この1年間に出会ったみなさまの応援に応えていけるよう、精進してまいります。
また、選挙演説の最後のようになってしまいました。
いつも締めが堅苦しくなってしまうので、緩いBODYの実家の猫の写真を掲載します。
2年目もよろしくお願いいたします!
www.sosogu.jp