「そそぐ」の「そそぎ手」サイトウです。
今回は、お酒のボトルやラベルについて書いております。
・ボトルやラベルに注目したわけ
きっかけになったのは、「TALISKER(タリスカー)10年」というスコッチ・ウイスキーです。
タリスカーはスコットランド・スカイ島にある蒸留所で、1830年から生産されています。
名前は古ノルド語(古北欧語)で「傾いた大岩」を意味する「Thalas Gair」が由来らしく、その名の通り海岸沿いの断崖絶壁や緑が茂る山など壮大な景色が広がるスカイ島の西海岸にあります。
行ってきたかのように書いていますが、僕も写真でしか見たことがありません。
一度訪れてみたいと思っている場所のひとつです。
アイラ島のウイスキー同様のスモーキーな風味に加えて、コショウを感じるスパイシーさもあり、その特徴的な味わいから根強いファンが多く、ご注文のリピート率が高いウイスキーです。
10年はタリスカーのスタンダード版。スタンダードと言いながら、アルコール度数が45.8度と強め。(40度程のものが主流)
この辺の攻めた感じが、個人的には好きです。
タリスカー10年のご注文くださったお客様の前にボトルを置くと、みなさま「あれ?」という顔をなさいます。
なぜか。実は最近ラベルが大幅に変わったのです。
ラベルの変化をお客様に気づいていただけるなんて、リピートなさる方が多い証拠ですね。
ちなみに「前のラベルの方がシンプルでかっこよかった」という意見が多いです。
・ラベルが違う場合に考えられること
実は新しいラベルのタリスカーが納品された時、僕も「あれ?なんかパッケージもラベルも違う、おかしいな」と思いました。
まず思ったのはエイジ(年数)違いです。タリスカーは10年だけじゃなく、他のエイジ(18年、25年、30年がある)や特別版もあります。
ラベルを見ると「AGED 10 YEARS」とあり、タリスカー10年で間違いなさそうです。
次に思ったのは、「並行輸入品かな?」です。
海外のお酒は「正規品」と「並行輸入品」があります。
簡単にご説明しますと・・・
・正規品
蒸留所やメーカーで生産されたお酒が、日本の正規代理店を通して輸入されたもの。
・並行輸入品
輸入代理店が、海外の蒸留所や現地販売店から直接買い付けて日本で販売しているもの。
基本的に中身は変わりませんが(※例外あり)、正規品は日本向けにパッケージがカスタマイズされていることがあります。また、並行輸入品は、旧ラベルや日本以外の国向けのラベル版の場合もあります。
例えば、バーボンウイスキーOLD GRANDAD(オールドグランダッド)は、特徴的なずんぐりした形ですが、並行輸入品にはスリムなボトルの形状で内容量が700mlのものや、1000mlのビッグサイズ等バリエーション豊かです。
さて、届いたタリスカー10年の裏の品質シールを見ると、日本語表記で正規代理店も記されており、これまで同様に正規品のようです。
ラベルが刷新されていました!
検索してみると、ラベルがリニューアルされていました。
現在のオーナー会社「ディアジオ社」が2030年までの行動目標「Society 2030: Spirit of Progress」を掲げ、その一環として環境に配慮したボトルのラベルやパッケージへと一新したと紹介がありました。
ディアジオ社 Society 2030: Spirit of Progress
新しいパッケージでは、リサイクル性が100%近くに到達し、ボトルに使用するプラスチック成分も86%カットされたそうです。
なるほど、そんな企業理念が込められたラベルの刷新だったのですね。
先ほど、「前のラベルの方が人気・・」と書いてしまいましたが、企業の想いを知ると印象も変わってきます。
・ボトル「9割以上が昔の方がよかったと思う説」
そもそも、お酒のボトルやラベルに限れば、デザインの出来栄えとは無関係に「以前の方がよかった」という意見が9割以上になる気がします。(サイトウ調べ)
「思い出補正」ってやつだとも思いますが、それだけお酒が、自分が過ごした年代や場所等の記憶と紐づくアイテムなのだとも改めて感じます。
若い頃に飲んだお酒を飲むと、その頃の出来事を懐かしく思い出したりしますよね。
「そそぐ」でも、お酒のボトルやラベルの話になると、「昔はこんな形状でしたよね!」と話が盛り上がるお酒があります。
それは、ダーク・ラムのRon Zacapa(ロンサカパ)。
ちょっと長くなってしまったので、ロンサカパのボトルは後編に続きます。