アイラ島ウイスキー蒸留所3つ目は、13:30開始のアードベッグ蒸留所です。
ラガヴーリン蒸留所から電動自転車で数分、アードベッグ蒸留所に到着しました。
The Three Distillers Pathを進むと出てくるアードベッグの入り口サイン。
アードベッグのビジターセンターの印象は「格好いい」
建物内もグッズもデザインが凝っていてスタイリッシュです。
アードベッグのレストランTHE OLD KILN CAFÉかワゴン車販売のTHE ARDSTREAM TRAILERでランチの予定でしたが、B&Bの朝食Scottish Breakfastが潤沢過ぎたので入りそうにありません。ランチはスキップすることにしました。
ちなみにレストランはお休みでした。SNSを確認したら人手不足だとか。飲食業に携わる者として、心が痛む理由です。早く再開できますように。
本日参加するのは、THE QUINTESSENTIAL ARDBEG TOUR(£20/人)。製造工程メインのツアーを選びましたが、ティスティングツアーも評価が高かったです。
Distillery Tours | Ardbeg Single Malt Scotch Whisky
※ウイスキーの製造工程簡易版はこちら
ツアー開始。明るい女性ガイドさんから「はーい Folks, グラスどうぞ~」とアードベッグ10年がたっぷり入ったグラスを手渡され、このグラスを持ったままツアーが進みます。
まずはアードベッグ蒸留所の歴史について。所有者がコロコロ変わり、閉鎖を余儀なくされた蒸留所なので「Closed」という単語が何度も登場します。予習して臨んだので理解できました。予習って大事。
現在はLVMH社の傘下で安定して生産が行われています。
モルティングはポートエレン精麦所に委託しています。ピートの強さを表すフェノール値は55ppmと超!高めの麦芽を使用します。
なので、見学は粉ミルから。粉砕機はロバート・ボビー社製の2段式ローラーミル。なんと100年以上稼働しています。
ここにも、ラガヴーリン蒸留所の粉砕機に貼り付けてあったマシンメンテナンス職人Ronnie Lee氏の連絡先プレートがありました。Leeさん、よろしくお願いします。
マッシュタン(糖化槽)の部屋へ。
グリスト(粉砕された麦芽)に温水を3段階にわけて混ぜ入れます。
仕込み水はアードベッグ蒸留所から5㎞程のウーガダール湖のものを使用しているそう。アードベッグにUIGEADAIL(ウーガダール)銘柄がありますが、仕込み水の湖の名前が由来なのか~と感激していると、タイミングよくグラスにArdbeg UIGEADAILをそそいでくれます。
続いてウォッシュバック(発酵槽)へ。
約28000リットルの木製ウォッシュバックが6基並んでいます。フェノール値が高いので、発酵には時間を要するそうです。
部屋の窓からは海が見えます。もちろん事前に地図で「海沿いにある蒸留所」と認識していましたが、本当に海に間近な地で造られているんだなと実感しました。
蒸留を行うポットスチルが並ぶ部屋へ。
ウォッシュ・スチル(初留器)2基、スピリット・スチル(再留器)2期ずつ。
スピリット・スチルにPurifier(ピュリファイアー、精留器)が備えられていて、これが強いピートながらフルーティーな味わいを実現するポイントだそうです。
ポットスチルの下の方って写真でも見たことなかったのですが、こんな風になっているんですね。
ウォッシュバック同様、ポットスチルも海の近くにいます。潮の香りの中で日々蒸留が行われています。
この建物は2021年に移築されたそう。アードベッグ公式YouTubeで建築が進んでいく動画がアップされています。
スピリット・セーフの前で3杯目「Ardbeg CORRYVRECKAN(コリーヴレッカン)」が威勢よくそそがれます。
ヨーロッパ最大級の渦潮が発生する海峡の名のウイスキーは、力強い渦のようにパワフル(鳴門の渦しか見たことないけども)ながら、57.1度の高アルコールを感じさせないまろやかさを併せ持っています。
最後はARDBEGと描かれた壁を眺める海岸でワイワイ。
ガイドの方のフランクな雰囲気も手伝ってか、次々と質問が投げかけられます。「アードベッグは(オーナーが大手に変わる前の)伝統の味を守るのか、刷新するのか、どっちを目指している?」等の深い質問もありました。
盛り上がるの素敵ですが・・・次のポートエレン蒸留所の見学の時間があるのでソワソワしました。
日本でアードベッグの商品のリリースニュースを見ていると「これぞ大手のマーケティング」と感じることが多く、何ならビジターセンターに到着した際も「うんうん、カッコいい。さすがアードベッグですね。」と思っていましたが、潮の香りがする海のそばで真摯にウイスキーが生み出される過程を見てぐっときました。ギャップ萌えってやつでしょうか。この萌えまでがマーケティングの一環で、術中にはまっている可能性ありますが。
ともかく、アードベッグの魅力がさらにアップするツアーでした。「いえーい!飲んじゃえ!」って感じでそそがれるウイスキーもおいしかった。今後も飲みます!アードベッグ!
【アイラ島への旅 Vol.1】福岡からグラスゴーへ(計画編)